金箱 志桜都(歯科医師)
発達障害・自閉症のお子さんが歯医者を怖がる理由とは

発達障害や自閉症のお子さんにとって、歯科医院は想像以上にハードルが高い場所です。その大きな理由のひとつが「感覚の過敏さ」にあります。

たとえば、お口の中に器具が触れるだけでも強い違和感を覚えたり、歯科特有の薬品や消毒液の臭いが気になって落ち着けなかったりすることがあります。

こうした口腔内の過敏や嗅覚の過敏があると、一般的な歯科治療を受けること自体がかなり難しくなります。まずはこのような特性があることを、周囲が理解することが大切です。
栗林歯科医院で大切にしている初診時の関わり方

栗林歯科医院では、初診時にお子さん一人ひとりの特性をしっかり見極めることを大切にしています。「この子はどんなことが苦手なのか」「どんな環境なら安心できるのか」を丁寧に把握していきます。

私たちが何よりも重視しているのは、お子さんの個性を尊重することです。画一的な対応ではなく、その子に合った関わり方を一緒に探していきます。
治療をスムーズに進めるための工夫と環境づくり

発達障害や自閉症のお子さんは、環境の変化に敏感な場合が多いです。そのため、毎回同じ診察室を使ったり、担当するスタッフを固定したりすることで、安心感を持っていただけるよう配慮しています。

また、お口の中を大きく削るような刺激の強い処置が必要な場合には、鎮静法や全身麻酔を検討することもあります。お子さんの負担をできるだけ減らし、安全に治療を進めることを第一に考えています。
鎮静法とは?どんなときに使うのか

鎮静法とは、お薬を使ってお子さんの緊張や不安を和らげ、リラックスした状態で治療を受けられるようにする方法です。意識はぼんやり残っていることが多く、全身麻酔とは異なります。

特に、神経の治療や抜歯など刺激の強い処置を行うときに用いることがあります。お子さんが急にお顔を動かしてしまうと、治療器具でお口の中を傷つけてしまう危険もあるためです。

鎮静法を使うことで、お子さん自身の恐怖心を軽減しながら、安全に治療を完了させることができます。
保護者の方へ伝えたい事前準備と当日の過ごし方

鎮静法や全身麻酔を行う場合、当日は食事や飲み物の制限があります。一般的には処置の2時間前から飲食を控えていただくことが多いですが、医院によってルールが異なる場合もあります。

事前に担当の歯科医師やスタッフから詳しい説明がありますので、不明な点があれば遠慮なくご質問ください。お子さんが安心して治療を受けられるよう、一緒に準備を進めていきましょう。
治療を終えたお子さん・ご家族に見られる変化

治療を終えたお子さんからは、「ごはんがおいしくなった」という嬉しい声をいただくことがあります。お口の中やベロの上がきれいになると、食べ物の味がしっかり感じられるようになるのです。

また、虫歯でボロボロになっていた歯をしっかり治療し、噛み合わせが整うと、よく噛めるようになります。食事の時間が楽しくなったというご家族の言葉は、私たちにとって何よりの喜びです。

歯科治療は一歩を踏み出すまでが大変かもしれません。しかし、お子さんの個性に合わせた方法を一緒に考えながら進めていけば、きっと道は開けます。まずはお気軽にご相談ください。
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