患者さんの負担を最小限に抑えるインプラント治療
歯を失ったときの治療法には、入れ歯、ブリッジ、インプラントがあります。なかでもインプラントは、天然の歯に近い噛み心地が得られ、周囲の歯に負担をかけにくい治療法です。
一方で、外科処置を伴うことから、「治療に時間がかかりそう」「身体への負担が大きそう」と不安を感じる方もいらっしゃいます。
当院では、そうした不安をできるだけ軽減できるよう、設備・技術・体制を整えています。
以下では、当院のインプラント治療の特徴や取り組みについてご紹介します。
注目!
お昼休みに受けられるインプラント手術
インプラント治療というと、長時間の手術が必要という印象をお持ちの方もいるかもしれません。
しかし、手術時間が長くなるほど、患者さんの身体的な負担も大きくなります。当院では、できるだけ負担を抑えた低侵襲の治療を心がけています。
そのため、手術時間も可能な限り短くなるよう努めています。1〜3本程度のインプラント埋入であれば、1時間ほどで終わることもあります。近隣のオフィスでお勤めの方であれば、お昼休みに手術を受けていただける場合もあります。
気になる方は、お気軽にお問い合わせください。
治療の精度を高める「精密機器」
当院では、より安全性と精度に配慮したインプラント治療のために、各種の精密機器を導入しています。それぞれの機器についてご紹介します。
CT
インプラント治療では、あごの骨に金属の土台を埋め込みます。あごの骨の内部には神経や血管が通っているため、治療を安全に進めるには、骨の状態を立体的に把握することが重要です。
当院では、事前に「CT」による精密検査を行います。CTは、レントゲンと同じくX線を使って撮影する装置ですが、お口のまわりを360度回転しながら撮影できるため、立体的で鮮明な画像が得られます。
コンピュータシミュレーション
CTで撮影したデータをコンピュータのシミュレーションソフトに取り込み、手術の計画を立てます。
インプラントのサイズや埋入する位置、角度、深さなどを事前にシミュレーションすることで、神経や血管への影響に配慮した治療計画を作成します。
サージカルガイド
シミュレーションデータをもとに、「サージカルガイド」を作製します。サージカルガイドは、穴の開いたマウスピースのような形をした手術用の補助装置です。
手術時には患者さんのお口に装着し、そのガイドに沿ってインプラントを埋入していきます。これにより、計画した位置・角度・深さに沿った処置がしやすくなり、人為的な誤差を抑えた治療につながります。
マイクロスコープ
マイクロスコープは、患部を高倍率に拡大して確認できる歯科用顕微鏡です。
細かな部分まで視認しやすくなるため、より精密な処置に役立ちます。
抜歯即時荷重
一般的なインプラント治療では、抜歯後に傷口の治癒や骨の安定を待ってから、インプラントを埋入します。そのため、歯がない状態の期間が数か月続くこともあります。
一方、「抜歯即時荷重」は、抜歯した当日にインプラントを埋入し、仮歯まで装着する治療法です。歯がない期間を短くしやすく、来院回数や治療期間の軽減も期待できます。
また、歯を抜いた部位を活用するため、症例によっては骨造成や歯ぐきの切開を行わずに対応できる場合もあります。
患者さんにとってメリットのある治療法ですが、適応できるケースは限られます。詳しくは診査・診断のうえでご案内します。
フラップレス
通常のインプラント手術では、歯ぐきを切開して処置を行います。そのため、術後に痛みや腫れが出ることがあります。
当院では、こうした負担を抑える方法として「フラップレス」に対応しています。フラップレスは、メスで歯ぐきを切開せず、小さな穴を開けてインプラントを埋入する方法です。
切開を行わないため、術後の痛みや腫れ、出血のリスクを抑えやすく、縫合や抜糸が不要な場合もあります。
※ケースによっては歯肉を切開することもあります。
安心!眠っているような感覚で手術を受けられる「睡眠無痛治療」
インプラント治療には外科処置が必要です。そのため、不安や緊張を強く感じる方もいらっしゃいます。とくに、歯科治療そのものが苦手な方にとっては、大きな負担になりやすい治療です。
そのような方には、「睡眠無痛治療(静脈内鎮静法)」をご案内しています。鎮静剤を点滴で投与することで、うとうとと眠っているような状態になり、恐怖心や緊張を和らげながら治療を受けていただけます。
治療中のことをあまり覚えていない方も多く、「気づいたら手術が終わっていた」と話されることもあります。
歯科治療への恐怖心が強い方はもちろん、お口の中に器具が入ると吐き気を感じやすい「嘔吐反射」が強い方にも向いている方法です。
4本のインプラントですべての歯を支える「オールオン4」
オールオン4
インプラントには、ご自身の歯に近い噛み心地が得られ、残っている健康な歯に負担をかけにくいという特長があります。
ただし、多くの歯を失った場合に、すべてを1本ずつインプラントで補うと、治療費や身体的な負担が大きくなることがあります。
そこで、複数の歯を失った方に対してご提案することがあるのが「オールオン4(All-on-4)」です。オールオン4は、片あごにつき最小4本のインプラントで、すべての歯を支える治療法です。症例によっては6〜8本必要になることもあります。
原則として「抜歯即時荷重」で進めるため、手術当日に仮歯まで入れられる場合があります。
他院でインプラント治療を断られてしまった方へ
当院には、他院でインプラント治療が難しいと判断された患者さんが相談に来られることもあります。
インプラントは、あごの骨に土台を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療です。そのため、骨の量や厚みが足りない場合には、治療が難しいことがあります。
そのような場合でも、当院では「骨造成」によって対応できることがあります。骨造成とは、インプラントを支えられるように骨の量を補う治療です。
他院で治療が難しいと言われた方も、まずはご相談ください。お口の状態を確認したうえで、適した方法をご提案します。
骨造成には、次のような術式があります。
サイナスリフト
上あごの奥歯の骨の厚みが不足している場合に行う術式です。上顎洞の底部に骨を増やすことで、インプラントを安定して埋入しやすくします。
ソケットリフト
歯を抜歯した後に残る歯槽骨(歯を支える骨)の部分に骨を増やしたい場合には、「ソケットリフト」を行います。通常、歯を抜くと骨が徐々に減少していくことがあり、インプラント手術が難しくなります。
「ソケットリフト」は、歯を抜いた後の穴に骨補填材など充填し、新たな骨を形成します。インプラントを埋め込む場所に、骨の密度やボリュームを持たせられるので、治療の成功率が向上します。
骨の再生を促す「フィブリンゲル」
「CFG療法」は、患者さんご自身の血液から作製した「フィブリンゲル」を用いる再生療法です。傷の治癒や骨の再生を促すことを目的として、インプラント治療などに活用します。
ご自身の血液を使用するため、身体への負担に配慮しやすい方法です。
コラム
歯肉移植術
インプラント治療では、歯ぐきの厚みや量が不足していると、見た目に影響が出たり、清掃がしにくくなって炎症のリスクが高まったりすることがあります。
そのため当院では、必要に応じて「歯肉移植術」を行っています。これは、ご自身のお口の中から健康な歯ぐきを採取し、インプラント周囲に移植する方法です。
歯ぐきに十分な厚みを持たせることで、見た目の自然さに配慮しやすくなり、清掃性の向上にもつながります。結果として、インプラントを長く安定して使いやすくなることが期待できます。
世界的なインプラントブランド
インプラントメーカーは国内外に数多くあり、150〜200社ほど存在するといわれています。当院では、歯科医師から評価の高い「アストラテック」のインプラントを採用しています。
インプラントは長期間の使用を前提とする治療です。だからこそ、信頼性に配慮したメーカーの製品を選ぶことが大切だと考えています。
アストラテック
スウェーデン発のインプラントメーカー「アストラテック」は、1990年代から高性能なインプラントを提供しており、特殊な表面処理によって骨との結合を促す設計が特徴です。
長期的な安定性にも配慮されており、世界的にも広く知られているインプラントシステムのひとつです。
専属の歯科技工士が院内に常駐
インプラントの人工歯は「上部構造」と呼ばれ、これを製作するのが歯科技工士です。
多くの歯科医院では、外部の歯科技工所に製作を依頼しています。一方、当院では院内に歯科技工所を設け、専属の歯科技工士が製作を担当しています。
この体制には、いくつかのメリットがあります。まず、院内で連携できるため、製作から調整までがスムーズに進みやすく、治療期間の短縮につながります。
また、歯科医師と歯科技工士が密に情報共有しながら進められるため、よりお口に合った精密な上部構造の製作を目指せます。
ガイドデントによる10年保証
当院では、歯科治療保証会社「ガイドデント」と提携しています。当院で受けていただいたインプラント治療について、埋入手術日から10年間の保証が受けられる制度です。
インプラント体(フィクスチャー)だけでなく、上部構造(人工歯)も保証の対象です。ガイドデントの保証には、次のような特長があります。
■損傷や脱落への保証
通常の保証では、偶発的な事故による損傷や脱落が対象外となることがあります。ガイドデントでは、一定の保証限度額の範囲内で、こうしたトラブルにも対応できる場合があります。
■引っ越し後も国内加盟歯科医院でサポート
一般的な医院保証では、治療を受けた医院でのみ対応となることがあります。一方、ガイドデントでは、国内の加盟歯科医院でサポートを受けられるため、転居後も継続してメンテナンスや保証の相談がしやすい体制です。
当院のインプラント治療の流れ
【流れ 1】カウンセリング
はじめに、患者さんのお話を丁寧に伺うカウンセリングを行います。インプラント治療に対するご希望やご不安、ご質問などを確認しながら、今のお悩みを整理していきます。
どんなことでも遠慮なくお話しください。安心して治療を受けていただくための大切なステップです。
【流れ 2】検査・診断
お口の状態を正確に把握するために、CTやレントゲンなどによる精密検査を行います。
この段階で、「抜歯即時荷重インプラントが適しているか」「手術前に骨造成が必要か」などを判断します。インプラント治療が適さない場合には、他の治療法も含めてご案内します。
【流れ 3】治療方法の説明
検査結果をもとに、治療計画をご説明します。治療の内容だけでなく、メリットや注意点についても丁寧にお伝えし、患者さんご自身が納得して治療を選べるようサポートします。
ご不明な点やご不安があれば、その都度わかりやすくご説明します。
【流れ 4】虫歯や歯周病の治療
虫歯や歯周病が見つかった場合は、先にそちらの治療を行います。
お口の環境を整えてからインプラント治療に進むことで、より安定した治療につながります。
STEP5インプラント手術
インプラント体を埋入する手術を行います。手術時間は本数や術式によって異なりますが、1〜2本であれば1時間ほどで終わることもあります。
抜歯即時荷重が適応の場合は、手術当日に仮歯を装着できることがあります。
【流れ 6】治癒期間
手術後は、インプラント体と骨がしっかり結合するまで待機期間を設けます。通常は1〜3か月ほどが目安です。
【流れ 7】上部構造の作製
インプラントと骨の結合を確認した後、上部構造(人工歯)を装着します。噛み合わせなどを調整し、治療完了となります。
【流れ 8】定期的なメンテナンス
インプラントを長く快適に使っていただくためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
インプラント自体は虫歯にはなりませんが、周囲の組織に炎症が起こる「インプラント周囲炎」には注意が必要です。進行すると、インプラントの脱落につながる可能性もあります。
安定した状態を保つためにも、定期的なチェックとクリーニングをおすすめしています。
担当医からのメッセージ
歯を失ったときの治療法として、インプラントは広く知られるようになってきました。
一方で、インプラントの大きな特長のひとつである「残っている健康な歯に負担をかけにくい」という点は、まだ十分に知られていないように感じています。部分入れ歯やブリッジは、構造上、ほかの歯で支える必要があります。そのため、長い目で見ると支えとなる歯に負担がかかることがあります。
インプラントは保険適用外であり、費用面や外科処置への不安もある治療です。しかし、残された健康な歯を守るという観点も含めて、治療法を考えることが大切です。
どの治療法を選ばれる場合でも、私たちは患者さんにとってよりよい選択につながるよう、丁寧にサポートいたしますのでお気軽にご相談ください。