お子様の歯にあったら要注意!?歯の特徴3選

小児の歯はその発育過程に影響を受け、形や数が変化する場合があります。

今回はその中でもよく見られる歯の変化についてご説明いたします。

1.歯の本数

1)歯が多く生える(過剰歯)

過剰歯とは、通常の歯の本数より多く生えた歯のことをいい、永久歯に多く見られます。
過剰歯が生えやすい箇所は、上の前歯と前歯の間、その次に前歯から数えて4・5番目の小臼歯と言われる部分です。

過剰歯が他の歯に問題を与えている場合は、基本抜歯を選択しますが、そうでなければ、定期的にレントゲンを撮影し、悪影響を与えていないか確認を行っていきます。
また、過剰歯があることで歯並びを悪くさせる可能性があるため、歯並びを含めた経過観察も必要となります。

2)歯の本数が不足している(先天欠如)

先天欠如とは、通常の歯の本数より1〜2本生えてこないことをいい、永久歯に多く見られます。
先天欠如の発生頻度は、約10%と言われていて、珍しいことではありません。

乳歯で先天欠如があった場合、約8割の方がそのあと生えてくる永久歯も先天欠如となります。
そのため、乳歯に先天欠如があった時は、レントゲンで永久歯の本数の確認が必須です。

永久歯の先天欠如は、上の前歯の隣の歯や、前歯から数えて4番目の第一小臼歯に多く見られます。
永久歯が先天欠如の場合は、極力、その部分の乳歯を使いますが、20~30歳で歯の根っこが歯を支えている骨に吸収されてもろくなったり、噛み続けている間に摩耗した場合などは、乳歯が使用不可となることが多いのが現状です。

その場合は、ブリッジや矯正等の治療が必要となってきます。

例えば、下の歯が先天欠如の場合、上に比べ、下の歯並びが短くなり、歯並びが上下で合わなくなるなどの問題が出てきます。

2.形態

1)突起物ができる(異常結節)

①基底結節
前歯と、隣の歯の内側にできる突起(結節)

②カラベリー結節
上の歯の6・7番目の大臼歯の内側にできる突起(結節)
異常結節の中では、比較的多く見られます。

③中心結節
4〜7番目の歯の中央にできる突起(結節)
臼歯部の中でも特に、下の歯の4・5番目の歯に高頻度で見られます。
この突起は、他の突起と異なり、中に神経組織が入り込んでいることが多いため、この突起が折れてしまった場合は痛みを発症し、神経の処置が必要となる場合があります。

この異常結節は、特に形状が虫歯になるリスクが高いため、予防処置が必要となります。
中でも中心結節は特に折れてしまいやすいため、予防処置と、補強のために生えた段階でシーラントを行うことをおすすめします。

2)結合した歯が生えてくる(癒合歯)

癒合歯とは、2つ以上の歯が結合した歯のことを言います。
よく生える箇所は上下の前歯部分で、発症する頻度は乳歯で1〜5%、永久歯では0.2〜0.3%とされています。
乳歯が癒合歯の場合は、その後の永久歯が40〜50%の確率で、先天欠如となり、生えてこないことがあります。

癒合歯の問題は、見た目的にもそうですが、形状が特殊なので歯磨きが難しく、歯周病になってしまう可能性が高いという問題もあります。
癒合歯は、場合によっては形の修正や歯並びの治療が必要となります。

3.歯の構造

1)エナメル質形成不全

歯の表層のエナメル質に、白い点々や茶褐色の着色、あるいは歯が生えて来ないなど、内容はさまざまで、部位も局所的なものやお口の中全体に現れるものなどがあります。
近年では、前歯と6番目の第一大臼歯に限って発症することが多いと報告されています。

など、定期的な通常の予防で問題ありません。

しかし、歯が足りない部分があった場合は処置をする必要が出てきます。
エナメル質形成不全は虫歯になるリスクも非常に高いですが、虫歯が進行する速度も速いと言われています。

また、治療した部位から再び虫歯になるリスクも高いため、お家での歯磨きはもちろん、定期的な歯科の受診が必要です。

お子様の歯の問題は特に、すぐ対応が必要な場合や、経過観察をする場合とさまざまですが、変化が著しく現れる時期でもあります。

今回は色々な歯の変化についてお話ししましたが、お子様のお口で見つけたからといって焦らず、適切に対応すれば問題ありません。

何かお子様のお口の中で気になる事、ご心配事がありましたら、お気軽に当院の歯科医師・歯科衛生士や、その他スタッフにご相談くださいね。

栗林歯科医院 歯科医師 監修

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