福井 桜(歯科医師)
大人の矯正を始めるきっかけで多いのは

矯正治療というと子どもが受けるイメージがあるかもしれませんが、実際には大人になってから始める方も少なくありません。当院でも「昔から歯並びが気になっていたけれど、学生時代や社会人になりたてのころは余裕がなかった」という方が、時間や費用の見通しが立つようになってから相談に来られるケースが多く見られます。

ライフステージの変化がきっかけになることもあります。結婚式や転職、人前に出る機会が増えるタイミングで「このまま気になり続けるより、思い切って始めてみよう」と決心される方もいらっしゃいます。大人の矯正は自分のタイミングで始められることが大きな特徴です。
矯正の種類と特徴について

大人の矯正で代表的なのは、ワイヤー矯正とマウスピース型のアライナー矯正の2つです。ワイヤー矯正は歯の表面にブラケットと呼ばれる小さな装置を付け、ワイヤーの力で歯を動かしていきます。幅広い歯並びの症例に対応しやすい方法です。

アライナー矯正は透明なマウスピースを段階的に交換しながら歯を移動させる方法です。装置が目立ちにくく、食事や歯みがきのときに取り外せるのが特徴です。どちらが合っているかは歯並びの状態やご希望によって異なるため、精密検査を行ったうえで一緒に相談しながら決めていきます。
治療期間や通院頻度の目安

矯正治療中は、およそ1か月に1回のペースで通院していただくのが一般的です。来院時には装置の調整や歯の動き具合の確認を行い、次のステップへ進めていきます。治療期間は歯並びの状態によって異なりますが、1年半から2年半ほどかかることが多いです。

矯正が終わった後も、歯並びを安定させるために保定装置を使う期間があります。この時期は3か月ごとのメンテナンス通院をおすすめしています。定期的にチェックすることで、後戻りを早めに見つけて対処することができます。
矯正中の生活で気をつけていること

矯正装置を付けていると、装置と歯の間に食べ物がはさまりやすくなります。特にワイヤー矯正では、繊維質の野菜やお肉などが引っかかることがあるため、食後の歯みがきがとても大切です。外出先でもすぐにケアできるよう、携帯用の歯ブラシを持ち歩くと安心です。

装置のまわりに汚れがたまると、むし歯のリスクが高まることがあります。当院では矯正治療中の方にも定期的なクリーニングをおすすめし、歯科衛生士が磨き残しやすい部分を一緒に確認しています。毎日のセルフケアと医院でのプロケアを組み合わせることで、健康な状態を保ちながら治療を進められます。
治療中に起こりうることやリスクについて

矯正治療では歯に力をかけて動かすため、装置を調整した後に数日間、歯が浮くような感覚や痛みが出ることがあります。痛みの感じ方には個人差がありますが、多くの場合は数日で落ち着いていきます。食事のときに硬いものを避けるなど、無理をしない工夫で負担を軽減できます。

ほかにも、装置が頬や唇の内側に当たって口内炎ができることがあります。保護用のワックスを使ったり、必要に応じて装置を調整したりすることで対処します。気になることがあれば遠慮なくご相談ください。
矯正後のケアと保定装置の役割

歯を動かす治療が終わっても、しばらくの間は歯が元の位置に戻ろうとする傾向があります。そのため、リテーナーと呼ばれる保定装置を使って歯並びを安定させることが大切です。取り外し式や固定式などいくつかの種類があり、生活スタイルに合わせて選べます。

保定期間中も定期的にメンテナンスに通っていただくことで、歯並びの安定を確認しながら、むし歯や歯周病のチェックも行えます。せっかく整えた歯並びを長く保つために、治療後のケアも一緒に続けていきましょう。
この記事でご紹介した治療について(費用・期間・リスク)
治療の内容・期間・費用は、お口の状態によって異なります。詳しくは診察の際にご説明します。
ワイヤー矯正(自由診療)
治療内容:歯の表面にブラケットを装着し、ワイヤーを通して歯に力をかけ、少しずつ歯を移動させる治療です。定期的に装置を調整しながら歯並びを整え、治療終了後は保定装置を使用して歯並びの安定を図ります。
費用の目安:総額130万円程度
自由診療(健康保険は適用されず、全額自己負担)
治療期間の目安:1年半〜3年程度
通院回数の目安:月1回程度の通院
主なリスク・副作用:
- 装置の調整後に痛みや違和感が出ることがある
- 装置が頬や唇の内側に当たり口内炎ができることがある
- 装置周囲に汚れがたまりやすくむし歯や歯周病のリスクが高まることがある
- 保定装置を使用しないと歯並びが後戻りすることがある
- 治療期間が予定より長くなることがある
マウスピース型矯正(アライナー矯正)(自由診療)
治療内容:透明なマウスピースを段階的に交換しながら歯を移動させる治療です。食事や歯みがきの際は取り外しができます。治療終了後は保定装置を使用して歯並びの安定を図ります。
費用の目安:60〜90万円程度
自由診療(健康保険は適用されず、全額自己負担)
治療期間の目安:1年〜2年半程度
通院回数の目安:月1〜3回程度の通院
主なリスク・副作用:
- 装着時間が不足すると計画通りに歯が動かないことがある
- マウスピース装着中に違和感や軽い痛みを感じることがある
- 歯並びの状態によっては適応できない場合がある
- 保定装置を使用しないと歯並びが後戻りすることがある
- 治療期間が予定より長くなることがある
ご予約・お問い合わせは以下からどうぞ。


