登坂 遼(歯科医師)
口腔カンジダ症とはどんな病気?

口腔カンジダ症は、もともと口の中に存在するカンジダ菌という真菌(カビの一種)が増殖することで起こる感染症です。このカンジダ菌は健康な方の口の中にも常在していますが、普段は免疫の働きによって増殖が抑えられています。

しかし、体調を崩したり免疫力が低下したりすると、カンジダ菌が増えやすくなります。すると舌や頬の内側、上あごの粘膜などに白い斑点が現れ、ヒリヒリとした痛みを感じることがあります。

そのまま放置すると、症状が喉や食道などに広がってしまう場合もあります。気になる症状があれば、早めに歯科医院で相談されることをおすすめします。
舌苔とは何か?誰にでもできるもの?

舌苔(ぜったい)とは、舌の表面に白っぽい苔のようなものが付着した状態のことです。これは皮膚でいう「垢」のようなもので、口の中の粘膜から剥がれ落ちた細胞や細菌、食べかすなどが舌の凹凸に溜まって白く見えています。

舌苔は誰にでもできるもので、適度についている分には異常ではありません。ただし、体調や口の中の環境によって厚くなることがあり、口臭の原因になることもあります。
口腔カンジダ症と舌苔の見分け方

舌苔は基本的に舌の上だけが白くなりますが、口腔カンジダ症の場合は舌だけでなく頬の内側や上あごの粘膜にも白い斑点が現れることがあります。また、カンジダ症ではヒリヒリとした痛みを伴うことが多い点も特徴です。

口腔カンジダ症にはいくつかのタイプがあります。偽膜性カンジダ症は白い膜がガーゼなどで拭うと取れますが、肥厚性カンジダ症は拭っても取れにくく、長期化すると注意が必要な場合があります。紅斑性カンジダ症は白い苔状のものは見られませんが、粘膜が赤くなりヒリヒリ感が出ます。

ご自身での判断が難しい場合は、歯科医院で細胞診という検査を受けることができます。粘膜の表面を綿棒でこすり、検査機関で培養してカンジダ菌の有無を調べる方法です。
口腔カンジダ症になりやすい人の特徴

口腔カンジダ症は、免疫力が低下している方に起こりやすい傾向があります。ご高齢の方や、病気の治療で免疫を抑える薬を服用している方は注意が必要です。

また、口の中が乾燥しやすい方や、入れ歯を使用している方もリスクが高まります。入れ歯の表面はカンジダ菌が付着しやすいため、毎日のお手入れが大切です。
口腔カンジダ症の治療の流れと注意点

口腔カンジダ症が疑われる場合、まず細胞診で診断を行います。綿棒で粘膜の表面をこすって採取した検体を検査機関で培養し、カンジダ菌が多く検出された場合に口腔カンジダ症と診断されます。

診断がつくと、抗真菌薬による治療を行います。シロップタイプ、塗り薬、口の中に貼るシールタイプなど、症状や状態に合わせてさまざまな形態のお薬があります。処方された薬は指示どおりに使用することが大切です。
日常生活でできる口腔内のケア方法

予防や再発防止のためには、日々の口腔ケアが重要です。殺菌成分の入ったうがい薬やマウスウォッシュ、歯磨き粉を取り入れることで、口の中の菌のバランスを整える手助けになります。液体タイプは口の隅々まで行き届きやすいのでおすすめです。

うがいが難しい場合は、スポンジブラシやガーゼにうがい薬やマウスウォッシュを含ませて、粘膜をやさしく拭き取る方法もあります。介護が必要な方のケアにも活用できます。

舌ブラシで舌の清掃を行うことも効果的ですが、やりすぎには注意が必要です。舌の表面は繊細なので、1日1回程度を目安に、力を入れすぎずやさしく行いましょう。過度な清掃は傷や炎症の原因になることがあります。
この記事でご紹介した治療について(費用・期間・リスク)
治療の内容・期間・費用は、お口の状態によって異なります。詳しくは診察の際にご説明します。
口腔カンジダ症の治療(保険診療)
治療内容:細胞診により口腔カンジダ症と診断された場合、抗真菌薬を用いた治療を行います。シロップタイプ、塗り薬、口腔内に貼付するシールタイプなど、症状や患者さんの状態に応じた薬剤が処方されます。治療後も再発予防のため、定期的な口腔ケアや経過観察が必要になる場合があります。
費用の目安:健康保険が適用されます。窓口でのご負担額は、負担割合や治療の内容によって異なります。
治療期間の目安:1〜2週間程度
通院回数の目安:2〜4回
主なリスク・副作用:
- 薬剤による味覚の変化を感じることがある
- まれに薬剤にアレルギー反応が出ることがある
- 症状が改善しても再発することがある
- 基礎疾患によっては治療に時間がかかることがある
細胞診(口腔粘膜検査)(保険診療)
治療内容:口腔カンジダ症の診断のため、舌や頬粘膜の表面を綿棒でこすって検体を採取し、検査機関で培養してカンジダ菌の有無を調べます。結果が出るまでに数日かかる場合があります。
費用の目安:健康保険が適用されます。窓口でのご負担額は、負担割合や治療の内容によって異なります。
通院回数の目安:1〜2回
主なリスク・副作用:
- 採取時に軽い不快感を感じることがある
- 検査結果が出るまで数日かかることがある
- 検査結果によっては追加の検査が必要になることがある
ご予約・お問い合わせは以下からどうぞ。


