こんにちは、医療法人社団栗林歯科医院 浦安院、歯科医師の登坂です。
皆さんは、抜歯した後の歯ぐきがどのように治っていくかをご存知ですか?
診療をしていると、抜歯に対して強い恐怖心をお持ちの患者様によくお会いします。お話を伺ってみると、「抜歯したところがどうなってしまうのか分からなくて怖い」とおっしゃる方がとても多いんです。
誰でも、先が見えないことや分からないことには不安を感じ、それが恐怖につながってしまいますよね。でも、裏を返せば「どう治っていくか」を知ることで、その怖さは克服できるはずです。
今日は、抜歯後の不安を少しでも解消していただくために、治癒の過程についてお話しします。ぜひ最後まで目を通してみてくださいね。
【1】 抜歯後の穴はどうやって治る?時系列で見る治癒の流れ
抜歯をした直後はぽっかりと穴が空いていますが、人間の体には自然治癒力が備わっていますので、時間とともに必ず塞がっていきます。
あくまで目安ですが、抜歯した穴が表面上の粘膜で覆われ、きれいに塞がるまでには、だいたい1週間から2週間ほどかかります。
ただ、完全に平らになるわけではありません。最初は少しくぼみが残りますが、1ヶ月もすればその穴の深さはどんどん浅くなっていきます。「最近、食べかすが詰まりにくくなってきたな」と感じるのが、だいたいこの時期ですね。
まずは「最初の2週間で穴が塞がり、1ヶ月でくぼみが浅くなる」という見通しを持っていただければと思います。
【2】 「白いフワフワ」は触らないで!かさぶた(血餅)の重要性
抜歯後の治りを良くするために、最も重要と言っても過言ではないのが「かさぶた(血餅:けっぺい)」を守ることです。
膝を擦りむいた時、血が出て、やかて「かさぶた」ができて治っていきますよね。お口の中も同じなんです。抜歯した穴は、血液で満たされることによって治癒が進んでいきます。
かさぶたは抜歯後の抜けた穴、傷を守る「蓋(ふた)」の役割を果たします。
最初は赤いゼリー状に見えますが、治っていく過程で少し白っぽく変色することもあります。「食べかすかな?」と思ってしまうかもしれませんが、これは治癒に必要な成分ですので、絶対に触らないでくださいね。
抜歯した当日は、どうしてもお口の中に血の味が残ることがあります。気になって何度もゆすいだり、強いうがいをしてしまったりする方がいらっしゃるのですが、これは一番避けていただきたい行動です。
せっかくできた「蓋」が水の勢いで流されてしまうと、骨が剥き出しの状態になってしまいます。これは「ドライソケット」と呼ばれ、強い痛みを伴ったり、細菌感染を起こしたりする原因になります。
お口の中の「かさぶた」は、傷口を守る天然の絆創膏です。優しく守ってあげてくださいね。
【3】 食事や歯磨きはどうする?ご自宅で気をつけてほしいこと
ご帰宅後の食事について、「何を食べたらいいですか?」とよくご質問をいただきます。
基本的には、食事に厳しい制限はありませんのでご安心ください。ただ、傷口への刺激を避けるため、激辛料理のような刺激の強すぎるものは、数日は控えていただいたほうが安心かもしれません。
食事の際は、抜歯をしていない側の歯をメインで使って噛んでいただくと、傷口への負担が少なく済みます。いつものお食事を、少しゆっくり楽しんでみてください。
次に歯磨きについてです。
お口の中を清潔に保つことは大切ですので、歯磨きは行っていただいて構いません。ただし、当たり前ですが抜いた場所をブラシでゴシゴシ擦るのは厳禁です。そこだけ避けて磨くようにしましょう。
そして、ここで一番気をつけていただきたいのが、やはり「うがい」です。
先ほどお話ししたように、強いうがいや頻繁なうがいは「かさぶた」を流してしまう恐れがあります。最近は予防歯科の観点からも、歯磨き粉の有効成分を残すために少量の水でのうがいが推奨されていますが、抜歯後は特に意識してください。
もし、「歯磨き粉の泡立ちが気になって、どうしてもしっかりゆすぎたい!」という場合は、泡立ちの少ない「低発泡」の歯磨き粉を使うか、この時期だけはお水だけで歯磨きをするのもおすすめです。
【4】 痛みや腫れが心配な方へ:浦安院・登坂先生からのメッセージ
「抜歯」と聞くと、どうしても痛みや腫れが怖くなってしまいますよね。そのお気持ち、とてもよく分かります。
当院では、親知らずの抜歯などを行う際、痛みを感じさせないための工夫を徹底しています。麻酔の注射をする前には、針のチクッとする痛みを和らげる「シールタイプの表面麻酔」を行い、その後にしっかりと麻酔を効かせてから処置に入りますので、どうぞご安心ください。
処置後の痛みについても、処方する痛み止めでコントロールできることがほとんどです。
また、「腫れ」についてもご心配かと思います。
通常、腫れのピークは抜歯後2~3日頃にやってきます。鏡を見てびっくりされるかもしれませんが、腫れというのは体の正常な生理現象の一つであり、決して異常なことではありません。
体が一生懸命、自己修復プログラムを動かしている証拠です。「今、体が頑張って傷口を治そうとしてくれているんだな」と前向きに捉えていただければ、腫れに対する怖さも少し和らぐのではないでしょうか。
もちろん、お薬を飲んでも痛みが引かない場合や、腫れが長引くなど、不安なことがあれば遠慮なくご連絡くださいね。私たちがしっかりサポートいたします。
医療法人社団栗林歯科医院 浦安院
歯科医師 登坂



