今回は、顎がカクカクしている症状の治し方をご紹介します。
1.顎のカクカクしている症状とは
2.スプリント療法とは
3.スプリント(マウスピース)が完成するまでの流れ
1.顎のカクカクしている症状とは
顎がカクカクしている方は、顎関節症の可能性があります。
顎関節症を放置すると、
・歯にヒビが入る
・顎が壊れる
可能性があります。
しかも、歯に一度ヒビが入ってしまうと、自然と治ることはありません。
顎関節症になると、下記のような症状が出ます。
・口が開きにくい
・顎がカクカクする
・口の開閉で、顎や顎の筋肉が痛くなる
・咀嚼する時、顎からパキパキと音がする
・あくびをすると顎が外れることがある
顎関節症になることが多いのは「出っ歯(II級咬合)」と呼ばれる歯並びの方に多いです。
顎関節症が進行すると、日常生活に支障をきたしたり、歯や顎を壊してしまう原因になります。
II級咬合の方は、奥歯で噛んだ時に、上の歯が下の歯を覆い、下の歯が見えなくなってしまいます。前歯にもかかるはずの力が前歯にはかからずに、全て奥歯にかかってしまうため、歯にヒビが入ったり、顎が痛くなってしまいます。
顎関節症を治療する場合は、
1)矯正治療
2)スプリント療法
3)補綴治療
4)顎関節ストレッチ
の4つの治療方法があります。
今回は、2)のスプリント療法をご紹介します。
2.スプリント療法とは
スプリント療法とは、歯の型取りをして、自分専用のマウスピース(スプリント)を作成して装着する治療方法です。
スプリントは、着用することで顎を正しい噛み合わせの位置にすることができます。
顎の動きを測定して、一番噛み合わせが安定する位置でマウスピース(スプリント)を作成して、顎の不調の症状を改善していきます。スプリントをつけることによって顎に負荷をかけないよう保護し、歯への直接的な負担を軽減します。
3.スプリント(マウスピース)が完成するまでの流れ
スプリントが完成するまでの流れをご紹介します。
1)キャディアックス検査
まず、キャディアックスの検査を行います。キャディアックス検査は、
・現在の顎の位置
・現在の顎の動き方
・顎関節の症状・程度
を確認することができます。
キャディアックス検査を行うことで、治療のゴールが明確となり、適切な診査診断を行えるようになります。
キャディアックス検査は、スプリント療法だけでなく、矯正治療を始める際にも行う検査です。
2)筋触診
顎の位置が正しい位置にない場合は、顎を支えている筋肉に支障をきたすため、筋肉に痛みが出ることがあります。
筋触診では、筋肉の痛みの有無を確認します。
スプリントを装着し、4分後、1日後、2日後、4日後と日を追って筋触診を行い、痛みがあるかチェックを行います。
3)型取り
自分専用のマウスピースを作成するため、歯の型取りを行います。
そして、事前に行った検査データをもとに、スプリントを作成します。
スプリントは、基本的に下顎用のものを作成します。
4)完成
スプリントが完成しました。
スプリントは、食事時以外の時に常に装着して使用します。
素材も硬く、少し厚みがあり、装着後は違和感が少しありますが、使用しているとだんだん慣れてきます。
写真の状態が、正しい噛み合わせのゴールです。
スプリントを装着することで、今まで見えていなかった下の歯が見えるようになります。
5)経過チェック
筋触診を行なって、顎関節の症状が改善しているかのチェックを行います。
日にちを追って、症状の有無を調べます。
画像の(+)が記載してある部分が、筋肉に痛みがあった部分です。
顎関節症の症状に該当する方は、お気軽に当院にご相談ください!
栗林歯科医院 歯科医師 監修