1.唾液の役割3つ
2.唾液量が減る原因4つ
3.唾液量が減ると起こる症状7つ
4.唾液量を増やすメリット
5.唾液が出やすくなるマッサージの方法
1.唾液の役割3つ
唾液は、1日に1〜1.5リットルの量が分泌されると言われています。
唾液の働きは、大きく分けて3つあります。
1）食べ物の消化を助ける
2）お口の中を清潔を保つ
3）食べ物を飲み込みやすくする
唾液はお口の中だけでなく、身体に入ってからも食べ物の消化を助けるという作用があります。
2.唾液量が減る原因4つ
唾液量が減ると、お口の中に悪影響が及びます。
唾液が減ってしまう原因は4つです。
1）疾患がある（パーキンソン病・シェーグレン症候群・エイズ・糖尿病など）
2）生活習慣や環境による原因がある（ストレス・口呼吸・不十分な口腔ケア・乾燥した室内など）
3）加齢に伴う機能の低下（女性の場合更年期障害以降に多い）
4）薬の副作用によるもの（抗うつ病薬、血圧降下剤など）
などが挙げられます。
※エイズの疾患が疑われる際は、唾液量の検査を行います
3.唾液量が減ると起こる症状7つ
唾液量が減り、ドライマウス（口腔乾燥症）という状態になると、下記7つの症状が起こることがあります。
1）むし歯・歯周病が悪化しやすい
2）飲食物の味を感じにくくなる
3）口内炎や口角炎になりやすい
4）口臭が発生しやすい
5）舌の痛みが起こる
6）ものが飲み込みにくい・誤嚥性肺炎を起こしやすくなる
7）会話がしづらくなる
といった症状が起こります。
誤嚥性肺炎とは、食べ物や飲み物が気道に入り、お口の中の細菌が肺に入ることで起こる肺炎です。
主に食事の時に起こりやすく、高齢者に起こりやすいと言われています。
このような症状を起こさないためにも、唾液量を増やすことがとても大切です。
4.唾液量を増やすメリット
唾液量を増やすことで、下記5つのメリットがあります。
1）お口の洗浄・自浄作用が働く
唾液は、お口に残った食べ物のカスなどを洗い流し、お口の中を洗浄する作用があります。
食事中に咀嚼することで、唾液が多く分泌されます。
2）殺菌・抗菌作用がある
唾液は、お口の中のばい菌の活性化を抑える働きがあり、むし歯菌や歯周病菌の増殖自体も抑えます。
3）緩衝作用がある
食事を行うと、お口が酸性に傾きます。
そして酸性に傾いたお口は、歯が溶けてむし歯になりやすくなります。
唾液には、酸性に傾いたお口の中を中性に保とうとする働きがあります。
4）保護・潤滑作用がある
唾液が分泌され、お口の中に潤いを与え、滑らかな状態を保つことで、お口の粘膜を保護する作用があります。
この作用で、のど・舌の動きがスムーズになり、会話がしやすくなり、食事もしやすくなります。
5）再石灰化作用がある
再石灰化とは、食事によってお口の中が酸性に傾いて、溶け出してしまった歯を修復する働きです。
再石灰化の作用で、むし歯のリスクが軽減します。
https://www.apagard.com/oralpedia/basic/details/Vcms4_00000091.html
※画像引用元（アパガード）
5.唾液が出やすくなるマッサージの方法
唾液は、運動や刺激によっても分泌量が増えます。
そのため、話す・歌う・笑うなど、日常的に口を動かすこと自体が、もっとも手軽な唾液が出やすくなるトレーニングと言えます。
さらに潤いのある健康なお口に近づける方法の一つとして、唾液腺マッサージがあります。
唾液を分泌する唾液線は、下記の3ヶ所にあります。
この3ヶ所をマッサージすることで、唾液の分泌を促すことができます。
※画像引用元（キューピー株式会社）
https://www.kewpie.com/education/information/senior/sosyaku/sosyaku_02.html
マッサージの方法は下記の通りです。
1）耳下腺
耳下腺は、耳たぶの前方、上の奥歯辺りの頬の部分にあります。
酸っぱい食べ物を想像すると、すーっと唾液が出てくるところです。
指全体で優しく押しながら、くるくる10回ほど回します。
2）顎下腺
顎下腺は、顎の骨の内側の柔らかい部分にあります。
指を当て、耳の下から顎の先までの3・4ヶ所を、優しく5回ずつ押します。
3）舌下腺
舌下腺は、顎の先の尖った部分の内側、舌の付け根にあります。
下顎から舌を押し上げるように、両手の親指でゆっくり押します。それを10回ほど繰り返します。
唾液は、日常的にお口の中にある身近なものですが、さまざまな役割があります。
お口の異常を感じたら、まずは歯科医院にご相談くださいね！
栗林歯科医院 歯科衛生士 監修
