今回は、お子さまの予防処置の「シーラント」についてご紹介します。
1.シーラントとは?
2.シーラントが行える箇所
3.シーラントのメリット
4.シーラントの注意点
1.シーラントとは?
シーラントとは、生え始めの永久歯の奥歯の溝を、フッ素入りの薄いプラスチックの樹脂でコーティングしてふさぐ処置のことです。
奥歯の溝は複雑な形をしています。
そのため、大人になるまでの間にむし歯になってしまうことがありますが、シーラントで奥歯の溝を塞ぐことで、むし歯から歯を守ることができる可能性が高まります。
この治療は、永久歯に生え変わった直後の9歳前後のお子さまに限り、保険適用内で行うことができます。
2.シーラントが行える箇所
シーラントは、前歯から数えて4番目の歯から奥歯にかけて行います。
下の6番目の歯は、奥歯で一番初めに生えてくる大人の歯です。
生えたての大人の歯はまだ柔らかく、成熟するまで2〜3年かかると言われています。
また、生え始めの永久歯は手前の歯よりも高さがなく、歯の溝も深いため、歯ブラシが十分でないと、むし歯になりやすいという特徴があります。
前歯から数えて6番目の歯が生え始め、噛み合わせの部分が見えたら、シーラントを行う目安になります。
それ以外に、まだ乳歯でも、溝が深い場合は同じようにシーラントを行います。
3.シーラントのメリット
シーラントのメリットは2つです。
1)フッ素のむし歯予防効果がある
シーラントにはフッ素が含まれています
シーラントを行った後、シーラント剤からフッ素が少しずつ出て、むし歯予防に効果があると言われています。
2)初期むし歯の予防
むし歯は、歯の表面がむし歯菌が出した酸によって、少しずつ溶けることから始まります。
歯の溝は引っかかりもあり、むし歯菌が住みつきやすい場所となります。
シーラントによってむし歯菌の住処を減らすことで、大きなむし歯の原因となる、初期むし歯を予防することができます。
4.シーラントの注意点
シーラントをしたからといって、むし歯にならないというわけではありません。
シーラントはプラスチックの材料なので、日常生活の中で欠けたり、削れたり、取れてしまったりします。
むし歯予防をするためには、3ヶ月に1回の歯科医院でのメインテナンスと、ご自宅でのセルフケアで歯に対する正しいケアを行うことが必要です。
当院では、セルフケアも含めた、お一人おひとりにあったむし歯予防をご提案しています。
ご自身のことやお子さんのことでお困りのことがあれば、いつでも当院にお気軽にご相談ください!
栗林歯科医院 歯科医師 監修