今回は、お子様のお口の状態、お口ポカンが引き起こす影響について、ご紹介します。
1.お口ポカンが与える悪影響
2.口呼吸チェックリスト12個
3.口呼吸改善の方法
1.お口ポカンが与える悪影響
お口ポカンとは名前の通り、お口が長時間、開いてしまっていることを言います。
専門用語では、「口唇閉鎖不全症」という名前がついています。
よく保護者の方から、お子様がいつも口を開けているというお話を伺います。
お口ポカンをしているからと言って、必ずしも口で呼吸しているとは限らないのですが、口呼吸をしているかどうかの判断材料の1つとして役立ちます。
現在、口呼吸していなくても、口呼吸の予備軍と言えるわけです。
平成26年に実施された全国調査では、お口ポカンをしているお子様のうち、約3割のお子様の口呼吸が疑われる結果となりました。
口呼吸を続けていると起こる悪影響は、大きく分けて3つあります。
日常的に口呼吸をすることによって、お口の中の問題として、慢性的な口腔内の乾燥を引き起こし、それによる機能低下から、重度のむし歯・歯周病引き起こす可能性があります。
また、歯並びが悪くなる可能性も考えられます。
理由は、歯は、唇の圧と、舌の圧が同じくらいかかっている場所に留まろうとするのですが、唇の圧が弱いと、特に、上の前歯が前に出てきてしまいやすいからです。
また口呼吸はお口の中の問題だけでなく、気管や肺に直接空気が入ることで炎症が引き起こされ、慢性的なアレルギー性鼻炎や口蓋扁桃肥大といった症状を引き起こす可能性もあります。
2.口呼吸チェックリスト12個
お子様の口呼吸の判断基準として、12個の項目があります。
①唇にしまりがない
②口を開けて寝る
③口がよく乾く
④上唇と下唇の間から歯が見える
⑤1分以上口を閉じられない
⑥くちゃくちゃ音を立てて食べる
⑦睡眠中、鼻がつまりやすい
⑧食べている時に口を開けている
⑨歯並びが出っ歯になっている
⑩日中、鼻がつまりやすい
⑪昼、口臭がある
⑫朝、口臭がある
上記に1つ以上当てはまる項目があれば、口呼吸が疑われます。
また、口呼吸の方のお顔の特徴として、
・鼻の高さが低い
・上唇/下唇が突出している
・下顎の位置が後方へ下がっている
などが挙げられます。
これらの判断基準をもとに、ご自身のお子様に口呼吸が疑われた場合は、一度歯科医院に来院してご相談ください。
3.口呼吸改善の方法
口呼吸をするお子様は、早い段階でお口を閉じる習慣を身につける必要があります。
まずは、口呼吸の原因を解明・取り除き、そして、お口周りの筋肉のトレーニングを行うことが必要となります。
当院では、お口周りの筋肉のトレーニングの治療としてMFT、歯並びの予防としてムーシールド・トレーナーの治療もあります。
早い段階でお口を閉じる習慣を身につけることで、一生涯、良い状態のお口の機能を保つための動作が1つ獲得できるので、お子様に合わせた早めの治療を行いましょう。
当院では、口呼吸になってしまっている方に対しては、「鼻のクリニック東京」さんという耳鼻科をおすすめしています。
口呼吸が疑われる方、また、鼻詰まりなどで悩まれている方はお気軽に当院や、「鼻のクリニック東京」さんにお問い合わせください!
栗林歯科医院 歯科医師 監修