今回は、神経がない歯を白くする、ウォーキングブリーチという方法をご紹介します。
1.ウォーキングブリーチとホワイトニングの違い
2.神経がない歯が変色する理由
3.ウォーキングブリーチの手順
4.ウォーキングブリーチができないケース
1.ウォーキングブリーチとホワイトニングの違い
神経がある歯と神経がない歯では、ホワイトニングの方法が違います。
神経がある歯を白くする場合は、歯科医院で行うオフィスホワイトニングと、自宅で行うホームホワイトニングがあります。
神経がない歯はウォーキングブリーチと呼ばれるホワイトニングの方法を用います。
ウォーキングブリーチは、神経の治療後、黒く変色した歯の歯髄腔に、歯を白くする薬剤を入れ、歯を内側から漂白して白くするホワイトニング方法です。
2.神経がない歯が変色する理由
神経がない歯が変色してしまう理由は、歯に栄養が行き届かなくなるためです。
歯の内部には歯髄腔と呼ばれる神経が通っている部分があり、そこには神経と共に血管も存在します。
神経を取る処置を行うと、神経と共に血管も取ることになるため、歯は血液から栄養を得ることができなくなります。
その結果、栄養が行き届かなくなった歯は次第に黒く変色していきます。
3.ウォーキングブリーチの手順
ウォーキングブリーチは以下の手順です。
①根管治療が、きちんと行われているのを確認する
②歯髄腔に薬剤を止めるための封をする
③薬剤(30〜35%の過酸化水素水と過ホウ酸ナトリウムの混合されたペースト)を歯髄腔に入れて封をする
③CRという歯科用レジンで蓋をする
④1週間に1回、薬を交換し、写真撮影を行う
4.ウォーキングブリーチができないケース
ウォーキングブリーチは、患者さまの状態により、できないケースがあるので注意が必要です。
1)歯が脆くなっている方
神経を失った歯は、神経のある歯に比べて、割れたりかけたりするリスクが高くなります。
既に脆い状態であったり、ウォーキングブリーチの薬剤による圧に耐えられなさそうな歯である場合は、ウォーキングブリーチを行うことはできません。
また、神経を取る処置を行う歯は、むし歯が原因なことが多いため、むし歯を全て削り取った時には、ほとんど歯の部分が残っていないことが多く、自分の歯に被せ物などの補綴物を被せる治療を行う必要のある方も治療の対象外です。
2)周りの歯の色に、色を合わせることができない状態の方
ウォーキングブリーチの効果には個人差があり、どのような白さになるかは、歯の状態や、歯の質、継続期間などに左右されます。
対象の歯以外の周りの歯の色と全く同じにすることは難しく、色を細かく調節したい場合は、ウォーキングブリーチ以外の方法を考える必要があります。
ウォーキングブリーチは、歯髄腔から直接、薬剤を注入するので、確実で効果が高いとされています。
また、歯髄腔の中で薬剤が漏出して、歯の根っこに悪影響を及ぼす可能性もあるため、治療後もレントゲン写真などで、定期的に経過観察をする必要があります。
治療後も、薬剤の効果がなくなれば、歯は再び黒く変色することもあります。
ウォーキングブリーチは、1度治療したら終わりの治療ではありません。
定期的なチェックを行う必要があります。
歯の色にお悩みがある方は、ぜひ一度、当院にお越しくださいね!
栗林歯科医院 歯科医師 監修