A.赤ちゃんに与えてはいけないものは、ハチミツです。
1.ハチミツの詳細
ハチミツは、ビタミンやミネラルが含まれている天然の甘味料です。
砂糖の約1/3量で、ほぼ同程度の甘さがあります。
砂糖100gあたり384kcal
はちみつ100gあたり294kcal
という、カロリーのため、カロリーも20%ほど抑えることができます。
赤ちゃん以外が摂取する場合は、とても良いものです。
2.赤ちゃんにハチミツをあげていけない理由
良いところがたくさんある「ハチミツ」ですが、生後1歳未満の赤ちゃんには与えてはいけません。
理由は、生後1歳未満の赤ちゃんがはちみつを食べると、「乳児ボツリヌス症」にかかるリスクが高くなるからです。
ボツリヌス菌が体内に入ると、大人の場合は、腸内環境が整っているため、通常は何も起こりません。
一方、赤ちゃんの場合は、腸内環境がまだ整っていない状態のため、ボツリヌス菌が腸内に定着・増殖し、毒素を出してしまいます。
症状は、便秘や哺乳力低下、脱力状態、泣き声の変化、首のすわりが悪い、などです。
ほとんどの場合は適切な治療で治りますが、まれに、亡くなってしまうケースもあります。
ボツリヌス菌は熱に強いため、通常の加熱調理では死滅しないのが特徴です。
一般的なハチミツは加熱処理を行わないため、ボツリヌス菌が混入していることがあります。
赤ちゃんにはリスクの高いハチミツですが、大人にとっては良い点がたくさんある天然甘味料です。
はちみつは、ご飯やパン、砂糖と比較して消化吸収が良いです。
そのため、胃や腸への負担がかかりにくく、エネルギーになりやすいので、疲れているときや運動中などのエネルギー補給としてもおすすめです。
赤ちゃんには与えないよう注意しながら、活用してみましょう!
【参考文献】
■ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから。(厚生労働省)
■ハチミツによる乳児のボツリヌス症(消費者庁)
■ボツリヌス症ファクトシート(食品安全委員会)
■ボツリヌス症とは(国立感染症研究所)
■日本食品標準成分表(文部科学省)
■はちみつの栄養成分(サクラ印ハチミツ)
栗林歯科医院 管理栄養士 監修