今回は、理想的な噛み合わせについてご紹介します。
犬歯誘導
人間の歯は、全部の歯が上下で噛み合うようになっています。
下顎を左右にスライドさせた時、上下の犬歯だけが噛み合って、前歯にも奥歯にも少し隙間が空くようになっています。
この状態を犬歯誘導と言い、理想の噛み合わせの状態です。
犬歯は、横からの力にも耐えられる強い歯です。
食べ物を咀嚼する時、顎を上下左右動かしています。
奥歯は、縦方向の力には強いですが、横方向の力を受け続けると、歯や周辺の組織を壊してしまいます。
犬歯は、左右の力を受ける時、犬歯だけを噛み合わせて奥歯を守っています。
4番目の歯(大臼歯)
4番目の歯のことを第一小臼歯と言います。
矯正治療の時には抜かれてしまいがちな歯ですが、噛み合わせにとってとても重要な役割を果たしています。
上顎の4番目の歯の山のところに、4番の歯が当たり、スライディングしながら噛むことにより、顎を前方に誘導します。
矯正治療などでは、上下の4番の歯がカチッと治るような形の噛み合わせをつくるのが目標です。
また、6番の噛み合わせは、それ以上顎が後ろに下がらないようなストッパーとしての役割があります。
4番目と6番目の連携プレーで弱い顎関節を守っています。
このように、それぞれの歯には、大切な役割があります。
悪い噛み合わせとは
悪い噛み合わせだと、歯を壊してしまうリスクがあります。
良い噛み合わせなら、上下の歯で噛んだ時の力がうまく分散できます。
ですが、噛み合わせが良くないと、上下の歯が接触するところが減り、接触している部分が減り、接触している歯だけに噛む力が集中してしまいます。
そうなると、結果的に、歯や周辺の組織は壊れてしまいます。
その症状はさまざまで、その人の口の中で弱い部分に出ます。
顎に痛みが出たり、歯がすり減ったり、歯がグラグラになったりしてしまいます。
むし歯や歯周病によって歯の痛みなどが起こると考えられがちですが、実は噛み合わせによるものの可能性もあります。
噛み合わせのご相談など、お気軽にお待ちしております。
かみ合わせから治しなさい
(著者 青木聡/ 発行 株式会社アンノーンブックス)
栗林歯科医院 歯科医師 監修