ビタミンは、私たちの体の調子を整えるとても大事な栄養素です。
ビタミンが不足すると、身体にはさまざまな症状が起こります。
今回はビタミン不足についてご紹介します。
神経管閉鎖障害
妊婦の方が葉酸不足になると、胎児の神経管閉鎖障害のリスクが高くなります。
神経管閉鎖障害とは、胎児の神経管に異常が出て、脳や脊髄が上手く作れなくなってしまう病気のことです。
この病気で最悪の場合、死に至ることもあります。
脚気
ビタミンB1が不足すると、脚気が起こります。
脚気は昔の病気のイメージですが、現代の私たちにも、脚気が起こる可能性があります。
その理由は、ビタミンB1は糖質を分解する働きがあることが関係しています。
糖質を多く摂ると、糖質を分解するためにビタミンB1が消費され栄養素が不足するため、脚気の初期症状(倦怠感、動悸、むくみなど)が出るようになってしまいます。
その他にも、ビタミン不足により起こる病気は多くあるので、これらを防ぐためにビタミンを効率よく摂る方法をご紹介します!
水溶性ビタミン
ビタミンには「水溶性ビタミン」と「脂溶性ビタミン」があります。
水溶性ビタミンは、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンのことを言います。
これらは、水に溶ける性質を持っています。
水溶性ビタミンの例は、下記の通りです。
①ビタミンB群
豚肉、ナッツ類、卵、魚など
②葉酸
アスパラガス、ほうれん草など
③ビタミンC
野菜類、果物類
その性質が理由で、水につけたり、茹でてしまうと水に溶け出てしまい、食品に含まれる水溶性ビタミンの量が減ってしまいます。
水溶性ビタミンは、蒸し調理や電子レンジ加熱をすることで、水に溶け出ることなく、効率よく摂取することができます。
脂溶性ビタミン
脂溶性ビタミンは、ビタミンA、D、E、Kのことです。
脂溶性ビタミンは油に溶けやすいため、油と一緒に摂ることで吸収率がアップする特性があります。
脂溶性ビタミンの例は、下記の通りです。
①ビタミンA
にんじん、レバー
②ビタミンD
きのこ類、魚
③ビタミンE
サラダ油、ごま
④ビタミンK
納豆、ブロッコリーほうれん草
調理方法として、油で炒めたり揚げたりするものの他に、脂質の多い食品(ドレッシング、マヨネーズ、卵など)と合わせて摂るのもおすすめです。
また、油にもビタミンEが含まれているので、ビタミンを摂取できます。
※ただし、脂質の摂りすぎには気をつけましょう
効率良くビタミンを摂って、体の調子を整えましょう!
〈参考文献、引用〉
①ja.strephonsays.com
②msdmanuals.com
③小池彩子、食品中のビタミンの調理損耗に関するレビュー(その1、その2)ビタミン91巻
④kewpie.com 油と健康「植物油とは?」
⑤Takeda.S et al.J Nutr Sci Vitaminol57:209-15,2011
栗林歯科医院 管理栄養士 監修