冬が明け夏に近づいてくると、気温や天候の変化で疲れが取れず、寝つきが悪い、眠りが浅い、朝早く目覚めるなど、普段よりも睡眠で悩まれる方も多いかと思います。
眠らなければと思うほど、余計に眠れなくなってしまいますよね。
質の良い睡眠をとるためには、「よく噛んで食べること」と「朝食を食べること」が重要です。
よく噛むことで、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」が活性化されて、睡眠の質に関与するホルモン「メラトニン」の材料となります。
セロトニンは脳内で作られる物質ですが、その主材料は、アミノ酸の「トリプトファン」です。
トリプトファンは、体内で合成できない必須アミノ酸のため、食品からの摂取が必要となります。
大豆製品や乳製品などに、豊富に含まれています。
お肉やお魚などにも多く含まれていますが、動物性たんぱく質に含まれているBCAA(分岐鎖アミノ酸=バリン・ロイシン・イソロイシン)というアミノ酸が、脳へのトリプトファンの取り込みを抑制してしまいます。
そのため、植物性たんぱく質からの摂取がおすすめです。
(1日に必要なトリプトファンの摂取量は、体重1kgあたり4.0mg(18歳以上)WHO基準)
さらに、セロトニンの合成には、ビタミンB6が必要となります。
ビタミンB6を多く含む、玄米や赤パプリカ、バナナなどを一緒に摂るのがおすすめです。
その中でもバナナには、100gあたり、15mgのトリプトファンが含まれています。
含有量はそれほど多くありませんが、セロトニン生成に必要なトリプトファンとビタミンB6、どちらも含まれているため、効率よく摂取することができます。
セロトニンは、日光を浴びることと適度な運動で作られるもので、脳の目覚めや、心身の活力に影響を与えます。
寝ている間にはほとんど作られない物質のため、朝食を抜かさないことが大切です。
朝食を摂り、よく噛むことが、睡眠の質にも関わってきます。
かむことを意識してお食事を摂りましょう!
噛むことと健康との関係 | 健康管理能力検定
文部科学省後援
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栗林歯科医院 管理栄養士 監修