今回は、なぜ毎日歯ブラシしてもむし歯になるのかご紹介します。
1.歯ブラシが届かないため
2.フッ素を使用していないため
3.食事・間食回数が多いため
4.むし歯菌が多いため
5.歯並びが悪い
1.歯ブラシが届かないため
歯にはむし歯になりやすい場所(3大不潔域)があります。
①歯と歯の間
②奥歯の噛み合わせの溝
③歯と歯ぐきの境目
の3つです。
図にあるように、歯ブラシの太さよりも、歯の溝ははるかに細かいことが分かります。
歯ブラシをを毎日していても、歯を完全にキレイにすることは不可能です。
2.フッ素を使用していないため
むし歯予防として最も重要なことは、フッ素を使用することです。
歯みがき粉にも含まれる、フッ素にはむし歯予防効果があるとされています。
その中でも特に高濃度のフッ素が効果的です。
日本で販売されている歯みが粉に含まれるフッ素の濃度は、1,450ppmFが最も高濃度です。
フッ素を効果的に生活に取り入れる方法は、
①高濃度フッ素(1,450ppmF)配合の歯みがき粉を使用する
②歯みがき後はうがいをしない(多くても少量の水で1回)
③歯みがき後は30分お水を飲まない
の3つです。
3.食事・間食回数が多いため
食事に含まれる糖を餌に、口の中のむし歯菌が酸を作り出すことでむし歯は発生します。
食後の酸性状態は、約1時間程度で元に戻ります。
「ジュースを常に飲む」「お菓子を常に口に含んでいる」など口の中が酸性である状態が長く続くほどむし歯になりやすくなります。
むし歯予防のためには、
『だらだら食べを避けて、間食は1回までにする』ことが重要です。
4. 唾液が少ないため
唾液には「むし歯を修復する効果」や「むし歯菌の作り出した酸を中和」する機能があります。
したがって、唾液が少ない方は虫歯になりやすいとされています。
唾液が少なくなる原因として挙げられるのは、以下のようなものです。
①水分摂取の不足
水分補給としてお茶やコーヒーなどを飲んでいると、利尿作用(体の水分を外に出そうとする作用)により、体内の水分が不足してしまいます。
②薬の副作用
一部の高血圧の薬、アレルギー薬などでは薬の副作用により口が渇くことがあります。
③口呼吸をしている
慢性鼻炎などがあり、普段から鼻ではなく口で呼吸する癖があると、口の中が乾いた状態が続きやすくなります。
4.むし歯菌が多いため
むし歯菌(ミュータンス菌)の数は3歳までに決まります。
3歳までに砂糖の摂取回数が多いと、将来的にむし歯菌の数が多くなり、むし歯になりやすくなります。同じ食事を摂っていても、口の中のむし歯菌が多い人の方が作られる酸が多いため、むし歯になりやいとされてます。
5.歯並びが悪い
歯並びが悪いと、歯ブラシが届きにくく、ばい菌が溜まりやすくなる部位が出来てしまいます。
歯並びをキレイにすることは、見た目の改善だけではなく虫歯になりにくい環境を整えることにもつながります。
当院では、むし歯の原因となる唾液の量、むし歯菌の数などを検査して、個人に合わせた予防方法をご提案しております。また、歯並びを改善する矯正治療も行っておりますので、お気軽にご相談下さい。
栗林歯科医院 歯科医師 監修