1.麻酔が効きにくい人
2.麻酔が効きにくい部分
今回は、麻酔の効きやすさは個人差があるかについてご紹介します。
1.麻酔が効きにくい人
1)急性症状があって痛みが強い場合
急性症状とは、炎症が原因で、痛みが生じている状態です。
急性症状は、大きく分けて2つの状態があります。
・歯や歯ぐきの周囲に強い炎症がある場合
・膿が溜まっている箇所がある場合
この2つの場合は、麻酔が効きづらいことがあります。
炎症や膿が溜まっている箇所があると、その部分が健康な歯ぐきの人より、弱い刺激でも痛いと感じやすくなってしまいます。
そうなる前に、普段からのお口のケアで、炎症・膿が溜まらないように、清潔に保つことが大切です。
また、治療中に痛みを繰り返した状態で追加で麻酔をしても、あまり麻酔が効かないことがあります。
専門的に言うと「疼痛閾値(いきち)の低下」と呼ばれます。
これは、痛みによるストレスが原因で、脳の痛みに対するフィルター処理が低下し、痛みを感じやすくなることが要因です。
この他には、緊張の度合いが強い場合もあります。
緊張している方は痛みに対し敏感になり、麻酔の効果が十分に得られないことがあります。
治療の際の緊張やストレスを感じないような環境・状態が安定していることも、麻酔が効きやすくなるために必要です。
2.麻酔が効きにくい部分
麻酔を打つ部位によっては、局所麻酔薬の効果が十分に得られない場合もあります。
下の奥歯など、麻酔の効果が浸透しにくい部分があります。
特に下顎は他の部分よりも骨の密度が高いので、麻酔が効きにくいと言われています。
麻酔は、歯に直接麻酔するわけではありません。
骨の外側の、粘膜と骨の隙間に麻酔します。
麻酔が効くメカニズムは、麻酔液が、骨に空いている無数の穴からだんだん染み込んで、やがて歯に到達する、という仕組みです。
同じ骨でも、骨が厚く穴が少ないところは、麻酔液がなかなかしみ込みません。
上顎の骨に比べて、下顎の骨は非常に密になってるため、下顎の歯は上顎の歯に比べて麻酔が効きにくいことがあります。
※栗林歯科医院 歯科医師 金箱監修
麻酔が効きやすい、効きにくいという違いは、このようなものがあります。
治療の部位だけでなく、ご自身のお口の病気があるかどうかでも左右されます。
普段から口腔内ケアを心がけて、清潔な環境にしましょう。
栗林歯科医院 歯科医師 監修