本日は「入れ歯」についての3つのポイントをお話しさせていただきます。
1.入れ歯の専門医、松丸悠一先生
栗林歯科医院では、2016年に総義歯治療専門歯科医師として、全国でご活躍されている松丸悠一先生に、月2回診療にきてもらっています。
また、診療以外にも、全4回に分けてライブデモンストレーション形式でレクチャーをしていただきました。
実際に患者様の「入れ歯」の作製を行いながらレクチャーをしていただいたのですが、患者様の希望は「入れ歯でアワビを食べる」でした。
「総義歯」で肉料理やアワビのように、硬くて弾力性があるものを食べるのは非常に難しいとされています。
理由は
・「入れ歯」では堅い物を噛むと歯茎が痛くなりやすい
・「入れ歯」と歯茎の適合が良くないと食事中「入れ歯」がカタつく
などの理由が考えられます。
つまりこの希望を叶えるために口の中に入れても異物感がなく、適合が良く、強く咬んでも粘膜が痛くない「入れ歯」を作製する必要があります。
レクチャーでは「入れ歯」作製において、より精度の高い入れ歯を作るべく手順に沿って、重要なポイントを教えていただきました。
松丸悠一専門医の診療の場合は、保険診療外の治療となります。
しかし、保険で入れ歯を作製する上でもこのレクチャーで学んだことを取り入れて診療にあたらせて頂いています。
ちなみに「入れ歯でアワビを食べる」という希望は、完璧に達成され患者様も非常に満足されていました。
もし専門医による診療を希望される方がおられましたら一度ご相談ください。
2.入れ歯は高齢者だけの治療ではない!
「入れ歯」と聞くとほとんどの方が「入れ歯=高齢者の治療」と考えるのではないでしょうか。
しかし、虫歯の進行具合や残された歯の状況によって、若い方や中高年の方でも入れ歯による治療が必要な場合が出てきます。
もちろん、治療法としては入れ歯以外にも「インプラント」や「ブリッジ」などの選択肢もありますが、失った歯の状態やコストを考えた場合に「入れ歯」という選択肢を選ばざるをえないこともあります。
患者様の中にも上記の理由から「入れ歯」を入れた若い方が何人もいます。
もし「入れ歯」を入れなければならなくなった時のために、少し「入れ歯」について書かせていただきます。
3.入れ歯の種類
①総義歯
「入れ歯」は他の名称として「義歯」と「デンチャー」とも呼びます。
「総義歯」は名前の通り全く歯が無い方が使う「総入れ歯」のことです。
「入れ歯」と聞いてまず想像するのはこちらではないでしょうか??
②部分床義歯
もう一つは、部分的に歯が欠けてる方が使う「部分床義歯」です。
「部分床義歯」に適応外はない為、歯を抜歯した際に上記のように「インプラント」や「ブリッジ」以外で治療する場合は「部分床義歯」で治療することになります。
上記が歯の欠損数に対しての、「入れ歯」の種類になります。
③「入れ歯」の材質
プラスチック義歯(保険診療内)
保険診療内で「入れ歯」を作成する場合は、この「プラスチック義歯」になります。
保険診療内での治療なので、費用は抑えることが可能です。
また、プラスチックで作製されてるので修理がしやすいのが特徴です。
しかし、プラスチックで作製されてるので「入れ歯」が割れないようにするために、少し厚みがあるのと「部分床義歯」の場合に固定源として、歯の欠損部の両隣の歯に金属で固定することになるのですが、場所によっては口を開けた時に、その金属が目立ってしまうのも欠点です。
スマイルデンチャー/ノンクラスプデンチャー(保険診療外)
弾力のある樹脂で作製されているのと、一部金属を使用することもありますが、見える範囲では金属を使用していないため審美的に優れています。
また、「プラスチック義歯」のように歯の固定にも金属でなく樹脂で行うので、口を開けた際にも目立つことはありません。
ちなみに「スマイルデンチャー」は「部分床義歯」のみの治療となります。
金属床義歯(保険診療外)
口を開けた際に見えるところ以外は、金属で作製されている「入れ歯」です。
上記の「プラスチック義歯」と違い、プラスチックではなく金属を使用しているため義歯を厚みを薄くすることが可能なのと、金属なので熱を伝えるのにも優れています。
熱を感じることは、味覚を感じる上でも必要な要素の一つですので、味覚の向上にも優れます。
また、装着感も優れているのも特徴です。
欠点として金属アレルギーがある方は使用できません。
以上、入れ歯について細かく説明していきましたが、ご理解いただけましたでしょうか?
上記で記したように「入れ歯」と言っても歯の欠損数や使用する材質によって様々な種類があります。
尚、「入れ歯」を入れた後、
・歯茎が痩せて適合が悪くなる
・金具がゆるくなって外れやすくなる
・歯茎の一部に強く入れ歯が当たって痛みがある
などの症状が生じることが多々ありますので、調整が必要です。
当然ですが、ベストは「入れ歯」のお世話にならないことです。
しかし、もし「入れ歯」による治療が必要になった場合は、全力でサポートさせていただきます。
何か気になることがあれば気軽にご相談ください。
栗林歯科医院 歯科医師 監修