A.「葉酸」と「鉄分」です。
妊娠期は、自分の体だけでなく、おなかの赤ちゃんの栄養も取る必要があるため、妊娠前に比べて食事に気を付けるお母さんも多いと思います。
今回は、妊娠期に特に多く、摂取して欲しい栄養素をご紹介します。
葉酸
葉酸は、新しい赤血球を作ったり、DNAの合成を行うの必要不可欠です。
また、胎児の脳や脊髄・中枢神経にとって重要な神経管の形成にも必要不可欠です。
妊娠期にしっかり補うことで、発達異常を防ぎます。
胎児の神経管が形成されるのは妊娠初期の数週間のため、妊娠する前から摂取することが望ましいです。
妊娠期の葉酸の摂取推奨量は、1日240μgと言われています。(非妊娠時の2倍の量)
ただし、妊活中や、妊娠初期は+400μgが望ましいと言われています。
ほうれん草1束→176μg
納豆1パック→60μg
ブロッコリー100g→210μg
とうもろこし1本→97μg
妊活中や、妊娠初期の推奨量は、食事だけでは摂取しづらいため、食事とともにサプリメントの摂取も推奨されています。
2.鉄分
妊娠期には、血液の濃度が低くなったり、胎児に優先的に鉄が吸収されるため、母体の鉄が失われてしまい、貧血が加速してしまいます。
鉄が慢性的に不足することで、お母さんの貧血だけでなく、胎児の発育不全にもつながります。
妊娠期の鉄の摂取推奨量は、下記の通りだと言われています。
1日9mg(妊娠初期)
1日16mg(妊娠中期〜妊娠後期)
妊娠中期〜後期は赤ちゃんが大きくなる時期なので、より鉄の摂取が必要です。
豚レバー100g→13mg
しじみ100g→8.3mg
小松菜2.5束→2.8mg
鉄は、ビタミンCと一緒に摂ると吸収率がアップします。
緑黄色野菜や、イモ類、果物と一緒に食べましょう。
どちらの栄養素も、お腹の中で赤ちゃんが健康に育つ上で欠かせない栄養素になっています。
積極的に摂取するようにしましょう。
ただし、これらの栄養素だけを取れば良いというわけではなく、他の栄養素も含めてバランス良く食べることが大切です。
お困りごとはご相談くださいね。
【参考文献】
日本人の食事摂取基準(2020年版):厚生労働省
妊娠・出産に当たっての適切な栄養・食生活に関する調査報告書(平成30年度): 株式会社日本総合研究所
乳児期の鉄欠乏について-神経発達.神経症状を中心に-:佐々木万里恵 高橋孝雄,小児科臨床 72:193,2019
栗林歯科医院 管理栄養士 監修