Q.顎の痛みの対処法は?

A.顎の痛みを改善するのは、4つの方法があります。

1.顎の痛みの原因
2.顎関節症の症状
3.顎関節症が悪化した場合
4.顎関節症の治療方法
5.スプリント療法とは
6.スプリント(マウスピース)が完成するまでの流れ

1.顎の痛みの原因

顎が痛い・カクカクしているなどの違和感を感じる方は、「顎関節症」の可能性があります。

顎関節症を放置すると、・歯にヒビが入る・顎が壊れるなどの可能性があります。
歯に一度ヒビが入ってしまうと、自然に治ることはありません。
そうなる前に、早めに顎関節症の検査・治療を行いましょう。

2.顎関節症の症状

顎関節症になってしまうと、下記のような症状が出ます。

・口を開けようとすると不快感がある
・口の開閉をすると、顎や顎の筋肉が痛くなる
・顎がカクカクする
・咀嚼する時、顎からパキパキという音がする・口が開きにくい
・あくびをすると、顎が外れることがある

顎関節症になることが多い歯並びは、「出っ歯(II級咬合)」の方だと言われています。

3.顎関節症が悪化した場合

顎関節症が進行すると、日常生活に支障をきたしたり、歯や顎に力がかかりすぎて歯が割れたり、顎を壊してしまう原因になります。

2.でご紹介した「出っ歯(II級咬合)」の方は、奥歯で噛んだ時に、上の歯が下の歯を覆い、下の歯が見えなくなってしまいます。
前歯にもかかるはずの力が前歯にはかからずに、全て奥歯にかかってしまうため、歯にヒビが入って割れたり、顎が痛くなってしまいます。

また、歯にかかる力が局所的だと歯並びの悪化が起きたり、顔の歪みが全身の健康にも影響を与えることもあります。

顎関節症が疑われる場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。

4.顎関節症の治療方法

顎関節症を治療する場合は、
1)矯正治療
2)スプリント療法
3)補綴治療
4)顎関節ストレッチ
の4つの治療方法があります。
今回は、その中の2)のスプリント療法をご紹介します。

5.スプリント療法とは

スプリント療法とは、歯の型取りをして、自分専用のマウスピース(スプリント)を作成して装着する治療方法です。

スプリントは、着用することで顎を正しい噛み合わせの位置にします。

顎の動きを測定して、一番噛み合わせが安定する位置でマウスピース(スプリント)を作成し、顎の不調の症状を改善します。

スプリントをつけることによって、顎に負荷をかけないよう保護し、歯への直接的な負担を軽減します。

ただ、スプリント療法は噛み合わせの改善を行うための治療法ですが、直接的に噛み合わせに影響を与えるわけではありません。
直接的な影響を与える場合は、矯正治療や補綴治療を行う必要があります。

6.スプリント(マウスピース)が完成するまでの流れ

スプリントが完成するまでの流れをご紹介します。

1)キャディアックス検査

初めにキャディアックスの検査を行います。

キャディアックス検査は、
・現在の顎の位置
・現在の顎の動き方
・顎関節の症状
・程度を確認することができます。

キャディアックス検査を行うことで、治療のゴールが明確になり、適切な診査診断を行えるようになります。
キャディアックス検査は、スプリント療法だけでなく、矯正治療を始める際にも行う顎の検査です。

2)筋触診

顎の位置が正しい位置にない場合、顎を支えている筋肉に支障をきたすため、筋肉に痛みが出ることがあります。
筋触診では、筋肉の痛みの有無を確認します。スプリントを装着し、4分後、1日後、2日後、4日後と日を追って筋触診を行い、痛みがあるかのチェックを行います。

3)歯の型取り

自分専用のマウスピースを作成するため、歯の型取りを行います。そして、事前に行った検査データをもとに、自分専用のスプリントを作成します。スプリントは、基本的に下顎用のものを1つ作成します。

4)完成・スプリントお渡し

完成したスプリントをお渡しします。

スプリントは、食事時以外の時に常に装着して使用します。素材も硬く、少し厚みがあり、装着後は少し違和感がありますが、使用しているとだんだん慣れてきます。
写真の状態が、正しい噛み合わせのゴールです。スプリントを装着することで、今まで見えていなかった下の歯が見えるようになり、顎の負担を軽減します。

5)経過チェック

再度筋触診を行い、顎関節の症状が改善しているかのチェックを行います。日にちを追って、症状の有無を調べます。画像の(+)が記載してある部分が、筋肉に痛みがあった部分です。

顎関節症の症状に該当する方は、まずはお気軽に当院にご相談ください。

栗林歯科医院 歯科医師 監修

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