A. 顎の骨の矯正が必要かどうかによって決まります。
詳しくは下記でご紹介します。
1.マウスピース矯正ができる歯並び
2.ミッドラインのずれがある場合
3.1歯以上の叢生の場合
4.咬合平面・咬合高径に問題がある場合
5.ガミースマイルが気になる場合
6.上顎劣成長の受け口の場合
1.マウスピース矯正ができる歯並び
当院では、マウスピース矯正・ワイヤー矯正を行なっています。
マウスピース矯正ができる歯並びは、歯の矯正が必要あり・骨の矯正が必要ない場合が可能となります。
マウスピース矯正は、歯を動かす内容に限界があります。
詳しくは下記の通りです。
1)歯の矯正とは
歯の矯正とは、骨に対して歯を並べるスペースがあるため、歯並びの調整などで済む、軽度の矯正です。
2)骨の矯正とは
骨の矯正とは、顎の骨を前後に動かす必要がある矯正です。
①上顎が大きい「出っ歯」
②下顎が大きい「受け口(しゃくれ)」
などの歯並びがこれに該当します。
歯が並んでいる骨に対して、歯を並べるスペースがなく、拡大を行って歯を並べる必要がある、叢生(八重歯やデコボコな歯並び)なども、マウスピース矯正では限界があるため、当院では、ワイヤー矯正の併用をしたハイブリッド矯正を行なっています。
下記に当てはまる方は、マウスピース矯正(インビザライン)単体では矯正治療できないことがあります。
2.ミッドラインのずれがある場合
上下の前歯の真ん中の境目がずれている場合は、マウスピース矯正のみでは難しいです。
顔の中心と、この隙間が真っ直ぐ合っているのが正常な歯並びです。
通常、マウスピース矯正を行う際、コンピュータで歯並びをシュミレーションしてマウスピースが作成されますが、シュミレーションでは、この境目を認識することができません。
ー当院の矯正の場合ー
当院の場合は、ワイヤー矯正を併用して改善していきます。
ー該当する歯並びー
・ミッドラインのずれがある
3.1歯以上の叢生の場合
1本以上、歯並びがガタガタの場合はマウスピース矯正単体だと難しいことがあります。
歯並びが悪化する原因の1つに、顎の大きさが小さいため、歯が並び切らないことがあります。
その場合、ワイヤー矯正を併用して、顎を現状より大きく拡大して、歯を並べるスペースを作る必要があります。
マウスピース矯正の場合は、顎の骨を拡大するのは非常に困難です。
マウスピース矯正で歯を並べるスペースが足りない場合は、歯と歯の間を削ってスペースを作ります。
ただ、削る処置を行なったとしても限界があるので、マウスピース矯正のみでは行えないことがあります。
1本の歯の幅が、
・上顎 7mm〜11mm
・下顎 5mm〜12mm
です。そのため、1本歯が揃っていない場合は、歯並びを整えて歯を入るようにする必要があります。
ですが、顎の大きさが決まっている場合、歯が入り切らないことがあります。
揃っていない歯の本数が多いほど、たくさんの幅が必要になります。
1本の歯を削る限界量が、0.5mm程度です。
6本の歯があると、3mm削れますが、1本の歯を入れるとしても最低5mm程度削らなければいけないので、1本以上の歯が並んでいない場合は、ワイヤー矯正も併用する必要があります。
ちなみに、歯を削り続けると、歯がしみて痛くなってしまうので、上記の通り、削る量の限界量があります。
(当院では、ごく稀に歯を削る処置を行います)
また、マウスピース矯正(インビザライン)では、性能として、歯を前に移動させることは簡単ですが、歯を後ろに移動させることは難しいです。
ワイヤー矯正に比べて、同じように移動をさせるのでもかなり時間がかかります。
出っ歯などを改善するために、歯を後ろに移動させる必要のある歯並びは、マウスピース矯正のみでは矯正できないことがあります。
ー当院の矯正の場合ー
当院の場合は、ワイヤー矯正を併用して改善していきます。
前歯から数えて、7番目の歯を奥歯側に移動させる技術があれば、歯を並べることができます。
奥歯側に動かす技術は、ワイヤー矯正とTADs(アンカースクリュー)で行います。
TADs(アンカースクリュー)は矯正用のミニインプラントで、前歯から数えて6番目と7番目の歯の間に埋め込むと、歯ではなく骨に打って固定できるので、奥に歯を動かしやすくなります。
TADs(アンカースクリュー)を打っていない場合、固定する部分がないので動かしたくない歯も動いてしまいます。
TADs(アンカースクリュー)を打たない場合は、前歯から数えて4番目の歯を4本抜歯して、歯を並べるスペースを確保する処置を行います。
ー該当する歯並びー
・上顎前突(出っ歯)
・叢生(ガタガタな歯並び)
など
4.咬合平面・咬合高径に問題がある場合
咬合平面は、噛み合わせの並び方、咬合高径は、歯の高さのことです。
問題のある歯並びが、ディープバイト(過蓋咬合)という歯並びです。
適正な状態の歯並びは、噛み合わせをした時に下の歯が見えます。
ですが、ディープバイト(過蓋咬合)の場合は、上の歯で下の歯が隠れてしまって見えない状態です。
ディープバイト(過蓋咬合)は、咬合平面・咬合高径どちらも問題がる歯並びです。
マウスピースの場合、歯を綺麗に並べることはできますが、咬合平面・咬合高径は変えにくいので、ディープバイト(過蓋咬合)のような歯並びは改善しずらいです。
ー当院の矯正の場合ー
当院の場合は、根本解決する場合はワイヤー矯正を併用して改善していきます。
ディープバイト(過蓋咬合)のような処置で行う、歯を根っこの方向に押し込む動きは、矯正治療の中でも最も時間がかかる移動の1つです。
垂直方向に歯を沈める場合は、矯正用の強い固定源のネジが必要になります。
当院では、TADs(アンカースクリュー)というネジを使用してワイヤー矯正とマウスピース矯正を行います。
また、スプリント療法という、矯正とは異なるマウスピースをつける方法もあります。
ですが、スプリント療法は、装着している間は正しい噛み合わせの高さになっている状態なので、根本解決を行うためには矯正治療が必要となります。
ー該当する歯並びー
・ディープバイト(過蓋咬合)
など
5.ガミースマイルが気になる場合
ガミースマイルという、上の歯ぐきが見える歯並びを気にしている場合は、必ず、上の前歯を根っこ方面へ移動させる必要があります。
マウスピース矯正だけでは、この移動を微量しか行うことができません。
そのため、ワイヤー矯正との併用になることがあります。
ガミースマイルは、咬合平面・咬合高径に問題がある歯並びです。
歯ぐきが見えてしまう原因は、咬合平面が下がっているためです。
ディープバイト(過蓋咬合)と同じく、マウスピース矯正は歯を綺麗に並べることはできますが、咬合平面・咬合高径を変えにくいため、ガミースマイルのような歯並びは、マウスピース矯正だと改善しずらいです。
ー当院の矯正の場合ー
当院の場合は、ガミースマイルの見た目を改善したい場合はワイヤー矯正を併用して改善していきます。
ガミースマイルのような処置で行う、歯を根っこの方向に押し込む動きは、矯正治療の中でも最も時間がかかる移動の1つです。
垂直方向に歯を沈めるためには、矯正用の強い固定源となるネジが必要です。
当院では、TADs(アンカースクリュー)という矯正用のネジを使用して、ワイヤー矯正とマウスピース矯正を行います。
ー該当する歯並びー
・ガミーススマイル
など
6.上顎劣成長の受け口の場合
顎は、上顎と下顎があります。
正常な歯並びは、下顎より上顎が大きい状態です。
ですが、受け口の場合、上顎が下顎より小さい状態で、正常な場合の反対になっています。
この場合、上顎の大きさを拡大する必要があります。
マウスピース矯正は、骨を広げる矯正はワイヤー矯正でしかできないため、マウスピースのみで改善することができません。
ー当院の矯正の場合ー
ワイヤー矯正・TADs(アンカースクリュー)で広げ、その後に歯並びを整えるためにマウスピース矯正を使用して、歯並びを改善します。
ー該当する歯並びー
・受け口(下顎前突)
など
上記の通り、マウスピース矯正だけでは、治療を行えないケースがあります。
当院では、歯並びを治す審美的な面の他に、噛み合わせの機能の面も大切にしています。
当院では、患者さまの理想の状態とライフスタイルに合わせた治療の計画で進めて行けるように、無料矯正相談も行なっています。
歯並びが気になっている方など、歯並び・噛み合わせの改善で矯正をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談くださいね!
栗林歯科医院 歯科医師 監修