今回は、矯正で歯が動くメカニズムについてご紹介します。
1.歯が動くメカニズム
2.1ヶ月で歯が動く距離
3.当院の矯正治療の流れ
4.当院のおおよその矯正期間
5.矯正治療時に抜歯しなきゃだめ?
6.親知らずは必ず抜歯する?
1.歯が動くメカニズム
矯正治療は、「歯根膜」が元の厚さに戻ろうとする働きを利用して行います。
歯は硬い骨の中に埋まっていますが、歯と骨の間には、歯根膜という骨と歯を繋ぐ繊維を含んだ組織があります。
歯根膜は物を噛んだ時にクッションのような役割をしていて、矯正で歯を動かす時に重要な働きをします。
矯正装置の力によって歯根膜の繊維が縮んだり、逆に伸びたりすると、歯根膜は元の厚さに戻ろうとします。
力の掛かった方向の縮んだ歯根膜側では骨を溶かす「破骨細胞」が、反対側の伸びた歯根膜では骨を作る「骨芽細胞」が働きます。
力のかかっている骨は吸収していき、その反対側のこの2つの細胞の働きが繰り返されることで力のかかっている骨は吸収し、反対側の骨が作られる事で、歯が少しずつ動いていきます。
2.1ヶ月で歯が動く距離
歯は、1ヶ月で平均1.0〜1.5mm程度動くとされています。
強い力をかければもっと早く動くのではないかと思いますが、強い力で引っ張れば大きく動くというものでもありません。
適切な力で動かすことで、歯を動かすことができます。
また、適切な力で動かさないと歯が吸収してしまうすることがあるので、無理な力をかけずに徐々に力をかけていく必要もあります。
また、歯と歯ぐきが清潔に保てていないと、歯ぐきが炎症になり、歯の動きが遅くなることもあります。
矯正治療中は装置が邪魔になって歯みがきが難しくなるので、歯科医院で行う歯ブラシ指導や、歯医者で行うクリーニングが大切になります。
栗林歯科医院では、矯正中も歯ブラシ指導とクリーニングを行っています。
その理由は下記の2つです。
1)矯正の進みを良くするため
2)むし歯予防・歯周病予防のため
3.当院の矯正治療の流れ
当院の矯正の治療を行う方は、ほとんどが矯正自体を行ったことがない初めての方です。
また、たまに過去に矯正をしていたが後戻りをしてしまい、再治療の方もいらっしゃいます。
ですが、原則下記の流れで矯正治療を行なっています。
ー当院の矯正治療の流れー
(1)精密検査
(2)キャディアックス検査(正しい顎の位置を分析)
(3)ご契約
(4)治療(むし歯・歯周病がある場合は装置をつける前に治療)
(5)MFT(口の周り・舌の筋肉を鍛えるトレーニング)
(6)矯正装置にて矯正開始(固定式矯正装置)
(7)固定式矯正装置除去
(8)バイオスターお渡し(後戻り防止用のマウスピース)
(9)マウスピース矯正ご契約
(10)マウスピース矯正のための型取り
(11)マウスピースお渡し・情報管理
(12)マウスピース矯正終了・資料撮影
矯正治療の流れや装着する装置については、歯並びによって大きく変わります。
栗林歯科医院では、矯正無料相談を行っているので、ご相談いただけると、より詳しくその方にあったお話しができるので、ご興味のある方は一度お問い合わせください。
4.当院のおおよその矯正期間
矯正期間は歯並びによって長さが変わります。
成人では2~3年(4年)の方が多いですが、お子さまだと永久歯の生え変わりが終わった後に最終的な噛み合わせを治していくため、治療期間は大人より長くかかります。
また、どのような装置を使用するかは歯並びによって異なるため、検査等を行なった後最終的な治療計画をご説明しています。
治療を早く終わらせるためには、装置の力が確実に歯にかかっていることが大切です。
歯がばい菌が落としきれず不潔な状態だったり、お口の周りの筋肉や舌の癖で装置が外れてしまうこともあるので、定期的な矯正装置の調整と、3ヶ月に1回のメインテナンスが大切です。
それと同時に、矯正の進みを良くするためにMFT(お口の周りと舌の筋肉のバランスを理想の位置に持って行くトレーニング)を行うことで治療期間を短く、なおかつ、後戻り等を少なくする治療を行うことができます。
5.矯正治療時に抜歯しなきゃだめ?
栗林歯科医院では、特殊な装置などを用いて、非抜歯矯正を心掛けています。
ですが、下記のような場合は抜歯を行うことがあります。
・非抜歯にすると、極端に矯正期間が延びてしまう場合
・先天的な欠損歯があり、歯の本数が左右合わない場合
・歯並びにより抜歯を勧める場合
また、小児矯正から行うことで、顎の成長をコントロールし、可能な限り永久歯を抜かなくていいようにすることができます。
矯正治療は場合によっては、抜歯するだけでなく、顎の骨を外科治療する必要がある場合もあるので、できれば未然に防ぐためにお子様からの矯正もご検討くださいね。
6.親知らずは必ず抜歯する?
歯科医院で、親知らずがあると言われた方は多いと思います。
さらに、現代人は顎が小さいため、親知らずが生えきらず、横向きになってしまっている方がほとんどです。
矯正を行う際、まっすぐ生えていない親知らずがあると、歯を並べるスペースが足りなかったり、矯正終了後に歯並びが後戻りしてしまう原因になる場合があります。
こういった場面には親知らず必要があります。
また、お子さまの場合、未完成の親知らず(歯胚)は歯の根っこが形成されておらず、この時点で抜いたほうが楽に抜けるので抜歯をおすすめする事があります。
逆に、親知らずを抜かない場合としては、矯正の際に親知らずを使って噛み合わせを作る場合や親知らずが深く埋まっていて、歯並びに影響を及ぼさない場合などは親知らずを抜かない場合があります。
矯正をお考えの方は、まずは気軽に矯正の無料相談をおすすめします。
お悩み事など、お気軽にお声掛けくださいね。
栗林歯科医院 歯科医師 監修