今回は、歯医者の診療のレベルが上がる、CTというレントゲンの機械についてご紹介します。
1.CTのレントゲン画像の特色
2.CTで撮影して分かること
3.CT撮影で分かること
1.CTのレントゲン画像の特色
CTは、歯科医院の「新3種の神器」の1つです。
CTと聞くと、病院を思い浮かべる方も多いと思います。
病院で行うCTの機械は、ベッドに横になりトンネル状の機械の中で撮影を行います。
歯科で行うCTは、座った状態か、もしくは立った状態で撮影します。
病院のCTとは違い、顎や歯を重点的に撮影するので、横にならずに撮影ができます。
一昔前は、「デンタル」と呼ばれる、お口の中に入れて3本ほどの歯をレントゲンを撮影するレントゲンや、全ての歯を平面(2D)で撮影する「パノラマ」というレントゲンしかありませんでした。
ですが、平面だったレントゲンをCTというものが発明されたことで「3Dの立体」で見られるになりました。
人の身体は立体なので、顎の部分を3次元の立体の撮影が可能となったことで、より精度の高い審査診断が可能になりました。
2.CTで撮影して分かること
CTでレントゲン撮影を行う理由は、歯や顎を輪切りにして細かく見るためです。
病気に対する診査診断は、目で見ただけでは限界があります。
目視で、目に見えない歯ぐきの内側を全て判断するのは無理なこともあります。
歯ぐきを切開して初めて分かる、むし歯を削ると見た目より案外深いことがあります。
お口の中・全部の歯をすみずみまで把握するためには、歯を輪切りにしたり顎も切りたいですが、人間の身体を調べるためだけに身体を傷つけるわけにいきません。
そこで、X線でレントゲンがとれる装置(CTなど)を使い、歯や骨の中を擬似的に輪切りにして内側も見られるようにすることで、人体を物理的に傷つけずに情報を得ることができます。
3.CT撮影で分かること
CTを使用すると、下記のような治療の上で大事な情報が分かります。
1)むし歯に関して分かること
神経まで達してしまったむし歯は、神経を取り、根っこに薬剤を詰める処置を行います。
その際に必要な情報で、
・むし歯の深さはどのくらいか
・根っこの形はどうなっているか
・根っこの曲がり具合はどうなっているか
・歯の中の神経の本数は何本あるか
などを調べることができるので、より効率的に、治療の計画を立てることができます。
2)歯周病に関して分かること
歯周病に関して分かることは、歯周病によって歯を支える骨がどれだけ溶けているかが分かります。
どの位置にどのくらい骨の量が足りなくなっているかが分かると、次の処置の判断がしやすくなります。
3)外科処置に関して分かること
外科処置に関しては、根っこの先に膿が溜まっている場合、CTの画像に膿が映るので、痛みの原因が調べやすくなります。
親知らず抜歯など、抜歯処置を行う場合にCT撮影を行うことで、歯の根っこと、神経の近さを知ることができます。
抜歯する時に、顎の中にある太い神経(下顎神経)と言われる部分を傷つけてしまうと麻痺などの後遺症が出てしまう場合があります。
事前に抜歯をする必要があるかの検査を行いますが、CT撮影を行えば、神経との近さを知ることができます。
また、インプラント治療を行う場合は、
・歯と歯の位置
・骨の厚さ
・骨の幅
などを考慮して、インプラントを埋め込む場所を探します。
その場合、CT撮影を行うことで、どこにインプラントすればよりベストか、を判断することができます。
このようにCTは、幅広い歯科治療の安全性を高めることができるので、患者さまにとてもメリットが大きい精密機械です。
最新式の機械で診査診断を受けたい方は、お気軽に栗林歯科医院にお越しください。
栗林歯科医院 歯科医師 監修