1.歯ぎしり・食いしばりで顎が痛い理由
2.歯ぎしり・食いしばりの悪影響4つ
3.歯ぎしり・食いしばりのサイン
4.歯ぎしり・食いしばりの治療方法
気付いたら顎が痛い、朝起きると顎が痛い、ということはありませんか?
今回は、無意識にしていることが多い、歯ぎしり・食いしばりについてご紹介します。
1.歯ぎしり・食いしばりで顎が痛い理由
顎が痛い理由として考えられるのは、寝ている間に「歯ぎしり」・「食いしばり」をしている可能性があります。
「歯ぎしり」と「食いしばり」は似ているようですが、実は違うものです。違いがあります。
1)歯ぎしり
歯ぎしりは、上下の歯をギリギリと横にすり合わせてしまう状態です。
ー歯ぎしりの主な2パターンー
①歯を横にギリギリすり合わせる
②歯と歯をカチカチさせる
2)食いしばり
食いしばりは、歯同士の横のすり合わせはないものの、強く噛み締めている状態です。
顎は、上顎と下顎がありますが、上顎は動かせないので、実際に動かせるのは下顎のみです。
下顎は筋肉で動かすのですが、強く食いしばり・歯ぎしりを行う人は、顎の筋肉が過剰に動かされている状態です。
2.歯ぎしり・食いしばりの悪影響
実際に食いしばり・食いしばりがあると、6つの悪影響があります。
1)歯への悪影響
・歯の磨耗によって、歯がしみる・欠ける
・歯が割れて、噛むと痛い
・噛み合わせが深くなり、被せ物が取れやすい
最終的に歯にヒビが入る、歯が欠ける、割れるといった症状があります。
2)骨への悪影響
・歯周病が悪化しやすくなる
・歯周病で既に骨が破壊されている人はさらに進行する
3)顎への悪影響
・口を大きく開けにくい
・口を開けるときに音がする
・朝、目覚めた時に耳の前あたりが痛む
・以前より、噛み合わせが悪くなる
4)全身への悪影響
・肩こりが起こる
・頭痛が起こる
上記の症状の一因は、歯ぎしり・食いしばりだと言われています。
歯ぎしり・食いしばりをするのは一番多くがストレスだと言われています。
また、食いしばりは、スポーツ選手などの瞬発力を必要とする人に起こります。
3.歯ぎしり・食いしばりのサイン
歯ぎしり・食いしばりは無意識に行っているため、自分が普段、歯ぎしり・食いしばりをしているかどうかは、とても分かりにくいです。
身体に起こる症状をご紹介しましたが、お口の中に出るサインがあります。
お口の中のサインは以下の内容です。
1)舌の横に歯のあとがつく
歯ぎしり・食いしばりをしていると、舌の横に「頬粘膜圧痕」という歯の跡が付くことがあります。
2)上顎・下顎にできる骨隆起
歯ぎしり・食いしばりをしていると、上顎・下顎に、骨隆起という白いこぶのようなものができることがあります。
3)ほっぺの内側に歯のあとがつく
歯ぎしり・食いしばりをしていると、頬の内側に白く線がつくことがあります。
このような症状があると、歯ぎしり・食いしばりをしている可能性があります。
もし症状がひどく、生活に支障がある場合は、治療が必要となります。
4.歯ぎしり・食いしばりの治療方法
1)矯正治療
矯正治療を行って、理想の噛み合わせに近づけることで、歯や顎の不快さの軽減が期待できます。
噛み合わせが良くない状態で、一部の歯で噛んでいる場合、歯全体で噛めるように治療していきます。
※矯正治療は、歯ぎしり・食いしばりを完全になくすものではありません
2)マウスピース療法(スプリント)
顎の動きを歯科医院で測定し、一番安定する噛み合わせの位置で、スプリントというマウスピースを作成します。スプリントを付けることで、顎への負担の軽減と、歯への直接的な負担を軽減します。
顎の動きを測定して、一番安定する噛み合わせの位置で、マウスピース(スプリント)を作成します。
顎への負担軽減と、歯への直接的な負担を軽減します。
3)マウスピースを作成する(ナイトガード)
夜に使用するマウスピース(ナイトガード)を作成します。弾力があるマウスピースを装着することで、歯同士が強く噛み合うことを防ぎます。
このように歯ぎしり・食いしばり一つとっても人によりさまざまな症状がみられます。
治療方法も、もし顎の痛みなどの症状が気になっている場合は、「歯ぎしり・食いしばりに悩んでいる」とお気軽にご相談くださいね!
栗林歯科医院 歯科医師 監修