今回は、ポテトチップスを食べたらむし歯になる?という疑問から、むし歯になりにくい生活習慣をご紹介します。
1.ポテトチップスを食べたらむし歯になる?
2.歯が溶けるとは?
3.脱灰を防ぐ方法
1.ポテトチップスはむし歯になる?
ポテトチップスはむし歯になるのかを調べた実験があります。
歯に数日ついていた歯垢(プラーク)は歯を溶かすレベルのpHになったそうです。
そのため、ポテトチップス・ご飯・パンのようなデンプン主体のものを摂取してもむし歯になる可能性があるということがわかっています。
2.歯が溶けるとは?
飲み物・食べ物などにより、歯が溶けることを脱灰といいます。
・歯の表面についている細菌
・唾液に潜んでいる細菌
・食物自体の酸
によって歯が溶けてしまいます。
脱灰の時間が短いほど、唾液中のカルシウムが再び歯に取り込まれる(再石灰化)時間が長くなります。
3.脱灰を防ぐ方法
1) 飲食回数を5回以下にする
2でお伝えした通り、食べ物・飲み物をとると必ず歯が溶けます。
過去に、砂糖の量が多いのと、砂糖を摂取する回数が多いのだとどっちがより危ない?という実験をしたビポヘルム研究というものがあります。
トフィーというイギリスのキャラメルのような粘着質の甘い食べ物を被験者に食べてもらいました。
食事の時に24個食べる人と、間食で8個食べる人、という2種類に分かれて研究が行われた結果、間食の時に食べた人の方が圧倒的にむし歯になりやすい、というものでした。
そのため、砂糖の量よりも回数の方がむし歯のリスクを上げるということが分かりました。
皆さんもダラダラ食べ、ちょびちょび飲みをしないようにお気をつけくださいね。
2)pHの低い飲み物をチビチビ飲まない
歯のエナメル質は、pH5.5以下になると脱灰します。
コーラのpHは2、野菜ジュースもpH3-4くらいです。
長い時間ダラダラと飲むと、ずっと歯が溶けることになるので要注意です。
3)磨きたくなる知識を得る
歯科医院では、患者さんに磨き方を伝えていても、お口の中の環境が良くならないことが多いです。
それと同じ結果を示した論文をご紹介します。
12歳くらいの子供を3グループに分けた研究です。
A:むし歯の原因や砂糖の話など、むし歯の自己診断などをさせ、歯磨き指導を行った
B:歯身がき指導を行った
C:何もしなかった
という3グループで実験した結果、BとCはむし歯の発生率がほとんど同じでした。
つまり、なぜ磨かないといけないのかを伝えずに磨き方を伝えても、意味がないということです。
なぜ勉強するかを伝えずに勉強しろというようなもの、に似ています。
磨きたくなるような知識を得ることも、自分自身のお口の中の環境が向上させることにつながります。
4)歯科検診に行く
みなさんは今、自分の歯が何本あって、今までに何本治療したことがあって、歯ぐきからの出血がどこからあるか知っていますか?
歯医者に行けばこれが分かります。
これを知らずに予防しようとするのは、自分の成績を知らずに、受験する大学を選ぶようなもので、的外れな結果になってしまうかもしれません。
・自分がむし歯になりやすいのかどうか?
・それはなぜか?
・今、自分にむし歯ははあるのか?
全てを知ってから予防は始まります。分からない方はすぐ歯医者さんに行きましょう!
栗林歯科医院 歯科医師 監修