今回は、親知らずの抜歯が必要になった時に知っておくべき3つのことについてご紹介します。
1.抜歯前は休息・食事をとる
2.抜歯後に気をつけること5つ
3.抜歯後しびれが残った時の対処法
1.抜歯前に気をつけること
親知らずを抜く前日は、睡眠をとることが大切です。
睡眠不足の状態で麻酔をすると、気分が悪くなる可能性があります。
また、抜歯の当日はしっかりと食事をとりましょう。
空腹時の麻酔は、気分が悪くなる可能性があります。
抜歯後は2〜3時間は麻酔が効いているので、その間の食事は、唇や頬を噛んでしまう危険性があり、食事を控えていただくようにお願いしています。
抜歯前〜抜歯後は食事が取れなくるので、処置を行う前に食事を済ませておくことが大事です。
特に若い女性は、食事・休息が十分でないと普段以上に、貧血や迷走神経反射という症状に見舞われ、失神してしまうことが稀にあると言われています。
そうならないよう、事前にしっかり食事・睡眠とをとりましょう。
2.抜歯後に気をつけること
1)麻酔が効いている間は食事を控える
抜歯当日は、歯を抜いている時に痛くないように、麻酔を打ちます。
特に歯ぐきに埋まっている歯を抜歯する時は、歯ぐきを切開したり、骨を削り抜歯する必要があるので、下顎孔伝達麻酔という、親知らずの周囲だけでなく、抜く側の舌まで痺れる麻酔を打ちます。
その後、2〜3時間は麻酔が効いた状態が続きます。
麻酔が効いた状態で食事をすると、頬の内側を噛んだり、温度を感じにくくなるので火傷をしてしまう恐れがあるため、食事は控えることをおすすめします。
2)抜歯3日〜5日後も痛みが引かない場合は歯科医院へ
抜歯後は、麻酔が切れ始めたら痛みが出始めるので、痛み止めをお渡ししています。
個人差はありますが、大体の方は1週間程度経てば、痛み止めは必要なくなります。
ですが、抜歯後2〜3日経った際、急に痛みが出てきたりズキズキとした痛みが続く場合はドライソケットという症状の可能性があります。
通常、抜歯後は歯を抜いた穴に血液が溜まり、新たに血管や細胞が新しくでき、傷口が治っていきます。
しかし、ドライソケットになると、抜歯した穴の骨が露出したままになり、骨に細菌感染が起きてしまいます。
その場合は早めに、抜歯した歯科医院に連絡することをおすすめします。
3)腫れへの対処法
腫れの症状は、術後48時間〜72時間後がピークと言われています。
腫れは、傷が治るための反応の1つで、下記5つの症状が起こります。
・疼痛(痛み)
・腫脹(腫れ)
・発赤(赤くなること)
・熱感(熱を感じること)
・機能障害(口が開きにくくなるなど)
腫れを防ぐには、下記の4つが有効です。
①冷たいタオルで冷やす
抜歯した後24時間は、冷たいタオル・冷えピタで患部を冷やすと、炎症反応を抑えることができます。
ですが、あまり冷たすぎると血液の循環障害が起こり、血液の流れが悪くなるため、冷たすぎないもので冷やしましょう。
②体調管理を行う
炎症反応も体の反応なので、免疫力が大事です。
抜歯する前と同じように、しっかり食事をとり、休息をとって、体調を万全にしておくことが大事です。
③喫煙やアルコールは控える・食事に気をつける
抜歯後の喫煙は、血液の循環が悪くなり、傷口の治りを悪くします。
また、逆に血行が良くなってしまう、アルコールの摂取は控えましょう。
食事も患部を傷つけてしまう恐れがある固いものや、刺激物の辛いものは摂取を控えましょう。
④強いうがいはしない
歯を抜いた穴には血液が固まっていき、それがだんだん骨に置き換わっていきます。
強すぎるうがいをすると、その血の塊が取れてしまい、痛みが出てしまうことがあります。
抜歯後、患部の組織が安定するまでは、強いうがいは控えましょう。
4)出血を防ぐ方法
最も気にしなければいけないことは、抜歯後の出血です。
血が滲んできたなと思ったら、ティッシュなどをギュッと5分程度噛んでください。
ほとんどの場合はそれで血が止まりますが、もし、何分経っても血がドバドバ出てくる場合は、歯を抜いた歯科医院に連絡することをおすすめします。
また、
・入浴はせず、シャワー程度にする
・激しい運動は控える
など、血行が良くなり、出血しやすくなるような行動は特に、歯を抜いた当日は控えましょう。
抜歯した次の日以降は血が固まってくるので、出血のリスクは低くなります。
5)抜歯後あざができた場合
頬に紫色・黄色のあざが生じる場合があります。
その場合は、人によりますが、2週間〜1ヶ月で治癒し、肌色に戻ります。
あざができるのは、抜歯した箇所が内出血の状態になっているためです。
内出血がだんだん頬側に出て来る際に、
紫色→黄色→肌色になります。
3.抜歯後しびれが残った時の対処法
抜歯前の麻酔は、個人差はありますが、2〜3時間で効果がなくなります。
人によっては5時間くらい麻酔が効き続ける方もいますが、翌日も麻酔が切れていない、触った感覚が鈍い、といった症状がある方は、神経の麻痺が疑われます。
親知らずを抜く時に損傷が生じる可能性がある神経を三叉神経と言い、特に下顎神経と言われるものが関わってきます。
この神経は感覚神経という、知覚を司る神経です。
もし麻痺が起きた場合の治療方法は、下記の治療法があります。
・薬による治療
・大学病院やペインクリニックで神経節ブロックの治療
どちらの治療法も早期発見、早期治療が大切です。
ご不安に思われた方は、抜歯前・抜歯後など、お気軽にスタッフにご相談ください!
栗林歯科医院 歯科医師 監修