今回は、自分に合った歯ブラシの選び方をご紹介します。
1.毛のかたさを選ぶ
2.毛先の種類を選ぶ
3.歯ブラシの形・大きさを選ぶ
4.電動歯ブラシを使用する(CRAPROX)
5.歯磨きが苦手な方は歯ブラシ指導へ
1.毛のかたさを選ぶ
毛のかたさは、かため、ふつう、やわらかいの3種類があります。
歯と歯ぐきが健康な方は、ふつうのかたさがおすすめです。
歯ぐきから血が出る・歯ぐきに傷がある・最近歯ぐきが痩せて歯が長くなった方は、やわらかいをおすすめしています。
理由は、バイ菌を除去するためには、ある程度のブラシのかたさが必要になりますが、あまり硬すぎると歯と歯ぐきを傷つけてしまうリスクがあるからです。
ふつうの歯ブラシは、正しい力でブラッシングすれば歯ぐきを傷をつけることなく、かつバイ菌も除去しやすい特徴があります。
やわらかい歯ブラシは、毛が寝やすいのでバイ菌は除去しにくいですが、歯ぐきに対して優しく歯みがきができるので、炎症がある方は炎症が落ち着くまで、長年のブラッシング・加齢により、歯と歯ぐきがよりデリケートになった方は、やわらかいものをおすすめします。
歯ブラシの毛のかたさが、かたいものより、やわらかいものの方が推奨されているという研究があります。
Niemiら(1984)の研究で、毛がやわらかい歯ブラシとかたい歯ブラシを使って、歯ぐきへの外傷とバイ菌(プラーク)の除去効果について比較しました。
その結果、かたい毛の方がやわらかい毛と比較して、2倍以上歯ぐきが傷付きました。
しかし、バイ菌(プラーク)の除去効果は、ほぼ変わりませんでした。
以上から、かための歯ブラシよりもふつうか、やわらかめの歯ブラシがおすすめです!
2.毛先の種類を選ぶ
歯ブラシの毛先は大きく分けてフラット毛、テーパー毛、2段殖毛、ラウンド毛の4種類があります。
歯ブラシについての研究で、歯ブラシの形でバイ菌の落ち方が変わるかどうか、という研究があります。
Stroskiら(2011)によると、
・毛が真っ直ぐに並べられて揃っているもの
・真っ直ぐに並べられているが毛先がギザギザのもの
・真っ直ぐのものと円状のものが混ざって並べられているもの
3種類の歯ブラシで比較して実験を行いましたが、プラーク(歯垢)・歯肉炎・歯ぐきへの傷の程度に差は見られませんでした。
この結果から、歯ブラシの形で効果に違いがそれほどないと言えます。
歯みがきの目的は、バイ菌を落としきることなので、ご自身の歯並びに対してバイ菌を落としやすいと感じるもの、使いやすいものと思える形のものを使用してみてくださいね。
当院ではフラット毛、ラウンド毛の形状をしている、お子様用はDr.Bee、大人用はTepeをおすすめしています。
Tepeはブラシの毛先部分(ヘッド)が台形なのが特徴です。
おすすめの理由は、歯の表面に対してブラシが当たる面積が広く、効率的にバイ菌を落とすことができるからです。
また、台形で先端が細めなので、奥歯にも届きやすいというメリットがあります。
他のタイプでも良いですが、歯並びが悪い場所がある場合は、ブラシが当たらないところがある場合があります。
その場合は、歯間ブラシやタフトブラシなどの歯磨きの補助グッズを併用することもおすすめします。
3.ブラシ(ヘッド)の大きさを選ぶ
歯ブラシの毛先部分(ヘッド)が小さく薄いものをおすすめしています。
理由は、小さいヘッドの方が、お口の中で小回りが効くからです。
ヘッドが小さいと、歯の表面だけなく、凸凹した歯並びの部分も磨くことができ、奥歯へのアプローチもしやすいです。
さらに小刻みに動かして磨くことで、歯と歯の間へも歯ブラシが届き、よりバイ菌を落とすことができます。
4.電動歯ブラシを使用する
歯みがきをする際、歯ブラシでも、電動歯ブラシでもどちらでも良いですが、下記の方には電動歯ブラシをおすすめしています。
ー電動歯ブラシをおすすめする方ー
・妊婦でつわりのある方
・歯を磨く時間を短縮したい方
・不器用な方
・歯並びが悪く、歯が磨きにくい方
・ついゴシゴシ強く磨いてしまう癖がある方
・着色がつきやすい方
電動歯ブラシの大きなメリットは、歯みがきのテクニックがそこまで必要ないことです。
電動ブラシは歯ブラシ自体が動いているので、歯に当ててさえいればバイ菌を除去できるので、歯みがきの時間を短縮することができ、ゴシゴシ磨く必要がありません。
5.歯磨きが苦手な方は歯ブラシ指導へ
歯ブラシが苦手な方、すぐに虫歯になってしまう方は、一度歯科医院でご自身の歯並びに合った、歯ブラシ指導を受けることをおすすめします。
栗林歯科医院 歯科衛生士 監修