矯正装置の種類
矯正装置の種類
スタンダード
マルチブラケット
歯の表面にブラケットという器具を取り付け、その溝にアーチワイヤーを通して三次元的に歯を移動させる装置です。上顎、下顎療法に使用できます。ブラケットは樹脂製(透明)です。
オプション
固定式
ストレート
ブラケットに平均的なねじれや凸凹、傾きがすでに組み込まれており、そこへまっすぐなアーチ型のワイヤーを入れて調整する矯正治療法です。
MEAW (Multiloop Edgewise Arch Wire)
1本1本の歯の状態に合わせ、ループ状に曲げ加工したワイヤーを使って矯正する装置です。歯列の乱れだけでなく、傾きやねじれも矯正する事が可能で、三次元的に歯を動かしながら噛み合わせも整えます。
TADs(Temporary Anchorage Device)
矯正専門医、安香譲治が開発に携わった固定式矯正装置に使用する補助装置です。動かしたい歯を理想の位置に動かすためには矯正装置をしっかりと留めるための固定源が必要です。従来は周囲の歯や顎を固定源としていましたが、治療によって動いた歯の反作用で、固定源だったはずの歯が動いてしまうというデメリットがありました。それを解決するために開発されたのがチタン合金製の小さなネジを植立して使用するTADsです。固定源がしっかりするので、歯を動かす正確性があがり、結果的に矯正治療の精度があがります。腫れや痛みを感じる方はほとんどいらっしゃいません。
TPA/Trans Palatal Arch
上顎を拡大した後に、歯を奥歯側に移動させる固定式矯正装置です。上顎拡大後、歯型を取り、製作した装置を矯正ネジ(TADs)やベネフィットと連結させて固定します。今までよりも確実な歯の移動を実現する、矯正歯科専門医の安香譲治が開発に携わった装置です。
ハイラックス
狭い上顎を優しく広げるために使用する、低年齢(11歳未満)の子ども向け固定式矯正装置です。
ハイブリッド・ハイラックス
ハイラックスとベネフィットを統合した、11歳以上の子どもと成人向けの狭い上顎を広げる固定式矯正装置です。従来の単体装置としてのハイラックスとベネフィットの併用時に比べ、力学的効率が高まることから、より歯の負担を軽減しながら上顎を拡大する事が可能です。矯正歯科専門医の安香譲治が改良の開発に携わり、2014年に発表された装置です。
クワドヘリックス
上顎拡大と大臼歯(奥歯)のねじれや傾きを調整する固定式矯正装置です。11歳未満のお子様にお勧めしています。
フォーサス
上顎、下顎両方に使えるバネを使った固定式矯正装置。頬が膨らむといった見た目の欠点はありますが、顎の成長に焦点をあてた設計により、矯正期間の短縮を実現します。成人では1年ほど、小児では6ヶ月程度の使用が目安です。矯正専門医、安香譲治が開発に携わりました。
リンガルアーチ
第一大臼歯(奥から2番目の奥歯)にバンドをつけて歯の裏側に固定し、顎の大きさを調整する矯正装置です。主に顎を拡大するために使用しますが、反対に縮小したり、後戻りを防ぐ保定装置として使用する事も可能です。上顎、下顎両方に使用できます。
可撤式
トレーナー
低年齢(12歳未満)の子どもの、主に出っ歯を直す可撤式矯正装置。舌や唇が直接歯に触れないために押し出す力が排除され、就寝2時間前から就寝中に装着することで理想的な歯並びに誘引します。
バイオスター
矯正終了後の後戻りを防ぐための透明なマウスピース状の保定装置です。装着される方に合わせて歯型を取ってつくる装置です。透明なので見た目も気にならず、簡単に着脱できるため、仕事中、授業中などでも装着できるという利点があります。
ムーシールド
開咬、受け口の矯正は11歳で上顎の成長が止まるまでに行うことが理想とされています。3歳から11歳未満のお子様に向けた矯正装置で、特に低年齢から治療を開始する事で、より大きな効果を得る事ができます。上顎の成長を促し、下顎の成長を抑制できることが特徴です。身体への負担が少なく、将来的に外科的な手術の必要性を低くすることができます。
上顎牽引装置
上顎を側方と前方に拡大して、受け口を改善するための装置です。この装置と、小児の方はハイラックス、成人の方はハイブリッドハイラックスを併用し治療を行います。固定は、顔と下顎で行います。効果を得るためには、家での2時間と就寝時に必ず装着する必要があります。
インビザライン
透明なマウスピースを使用した矯正装置です。透明のため目立たない、取り外しが可能という特徴があります。世界で300万人以上の治療実績がある信頼度の高いマウスピース矯正装置です。 当院では、ワイヤー矯正で噛み合わせを整えた後、インビザラインを使用し歯並びを整える治療を行っています。
矯正歯科でよくあるご質問
Q: 歯並びが正常かどうか、専門機関に相談だけでも受けられますか?
A. 来院によっての相談は受け付けているところもあります。当院も矯正歯科相談は無料で行っています。症状を直接見て、お話ししながら判断します。
Q: 矯正歯科治療はどこで受けるのが良い?
A. 矯正治療に長けているところ ・ビフォアアフターの写真などを開示してくれるところ ・患者さんに理解できるようなしっかりとした説明があるところです。 写真を撮っていることはとても重要で、記録として他者の目から見ても判断できる記録を残している歯科医院を推奨します。
Q: いつ矯正したら良いですか?
A. 10歳までに矯正していただくのが理想です。また、その中にも区分があり、3歳まで・6歳まで・8歳までに矯正していただけたら、治療の幅もぐっと広がります。10歳の中にも区分があるのは、年齢が若いうちに行うことで比較的軽度な矯正で済む可能性があるからです。例えば、3歳の治療の場合、受け口の子は、3歳からのマウスピース矯正で受け口を改善することができます。また、6歳〜10歳までの子も、受け口と開口の子の治療は比較的軽度で済ませることができます。10歳で年齢を区切る理由は、11歳で上顎の成長が泊まるためです。成長が止まるまでに行う治療は成人になってから行う矯正よりも幅が広がるためです。
Q: 矯正治療は誰でもできますか?
A. 矯正治療で一番確認するのは、矯正を始める本人にやる気があるかどうかです。本人にやる気がない場合は、矯正治療は行っていません。無理矢理行う矯正は辛いだけなのでせっかく矯正治療をしても成果が出にくいからです。ですが、親御さんの中でお子さんに矯正治療を行わせたい方もいらっしゃると思います。その場合は、必ず3ヶ月に1回検診に来てもらい、その時に矯正の歯並びに興味を持ってもらうような視覚素材を歯科医院がわが使い、親御さんのご協力も伴って誘導することは可能です。お子さんが矯正への興味が出たら、その時が矯正のタイミングです。
Q: 矯正器具は金属ですが、アレルギーは出ますか?
A. 当院では、チタンワイヤーという、アレルギーが出にくい素材を使っています。当院では10年間様々な方へ行っていますが、金属アレルギーを発症した方は0人です。矯正をしていてアレルギーが出る方はほとんどありません。
Q: 健康保険は効きますか?
A. 当院の場合は、矯正の治療は自費診療で行っています。ですが、しっかりとした診断名がついた場合、特定の大学病院では、保険が効くところもあります。しかし、保険内で行う矯正の場合は、費用は自費診療より安く済みますが、使用する材料などに制限があるため行える矯正の内容が限られてしまうことがあります。矯正治療を迷われている方は、一度矯正無料相談でご自身の歯について知り、その上でどうするかを相談されることをお勧めします。
Q: 歯が動くときの痛みはどの程度ですか?
A. 人により痛みの程度はバラバラなので、一概に痛みの程度は伝えられませんが、痛みはあります。ですが一時的なものなので安心してください。
Q: 矯正中にスポーツや楽器の演奏はできますか?
A. できます。スポーツに関しては、矯正をしていても矯正の器具を損なわないような専用のマウスピースがあるので、お申し付けください。楽器に関しては、どんなものを演奏するかによるので、相談が必要なケースもあります。
Q: 矯正装置をつけると発音や食事がしづらいことはありますか?
A. 装置が入っているので、発音・食事はしづらいです。生活はできる程度なので、慣れることが必要です。