今回は、神経がない歯を白くする、ウォーキングブリーチという方法をご紹介します。
1.ウォーキングブリーチとホワイトニングの違い
2.神経がない歯が変色する理由
3.ウォーキングブリーチの手順
4.ウォーキングブリーチができない場合
5.ウォーキングブリーチの費用・治療期間
1.ウォーキングブリーチとホワイトニングの違い
歯をぶつけたりして、歯の神経が死んでしまうと段々と歯が黒くなることがあります。
1本だけ歯が黒くなってきた、という方は、過去に神経を取った経験がある歯ではないでしょうか?
その歯を白くしたい!という方には、通常の神経がある歯を白くする「ホワイトニング」ではなく、「ウォーキングブリーチ」という神経がない歯を白くする方法をご紹介します!
神経がある歯と神経がない歯では、ホワイトニングの方法が違います。
神経がある歯を白くするのには、
・歯科医院で行うオフィスホワイトニング
・自宅で行うホームホワイトニング
があります。
しかし、神経が死んでしまっていたり、神経をとってしまった歯は、ホワイトニングでは白くなりません。
神経がない歯は「ウォーキングブリーチ」と呼ばれるホワイトニングの方法を行います。
ウォーキングブリーチは、神経を取る治療の後、黒く変色した歯の歯髄腔に、歯を白くする高濃度の漂白剤を入れ、歯を内側から徐々に白くするホワイトニング方法です。
2.神経がない歯が変色する理由
神経がない歯は、神経がある歯と違い、歯に栄養が行き届かなくなるため、変色してしまいます。
歯の内部には「歯髄腔」と呼ばれる神経が通っている部分があり、そこには神経と血管があります。
神経を取ると、神経と共に血管も取ることになるため、歯は血液から栄養を得ることができなくなります。
その結果、栄養が行き届かなくなり、だんだんと黒く変色していきます。
3.ウォーキングブリーチの手順
ウォーキングブリーチの手順は、以下の通りです。
1)根管治療がきちんと行われたのを確認する
2)歯髄腔に薬剤を止めるための封をする
3)歯髄腔に薬剤を入れる
薬剤:30〜35%の過酸化水素水と過ホウ酸ナトリウムの混合されたペースト
4)封をする
5)歯科用のレジン(CR)で蓋をする
6)1週間に1回薬を交換し、写真撮影を行う
4.ウォーキングブリーチができない場合
ウォーキングブリーチは、患者さま歯のの状態により、できないケースがあるので注意が必要です。
1)歯が脆くなっている方
神経を失った歯は、神経のある歯に比べて、割れたり、欠けるリスクが高くなります。
既に脆い状態であったり、ウォーキングブリーチの薬剤の圧に耐えられなさそうな歯の場合は、ウォーキングブリーチを行うことはできません。
また、神経を取る処置を行う歯は、むし歯が原因なことが多いため、むし歯を全て削り取った時には、ほとんど歯の部分が残っていないことが多く、自分の歯に被せ物を被せる治療を行う必要がある方も、治療の対象外となります。
2)周りの歯の色に、色を合わせることができない状態の方
ウォーキングブリーチの効果には個人差があります。
どのような白さになるかは、歯の状態や、歯の質、継続期間などに左右されます。
対象の歯以外の、周りの歯の色と完全に同じにすることは難しく、色を細かく調節したい場合は、ウォーキングブリーチ以外の方法を考える必要があります。
ウォーキングブリーチは、歯髄腔から直接薬剤を注入するので、確実で効果が高いとされています。
また、歯髄腔の中で薬剤が漏出して、歯の根っこに悪影響を及ぼす可能性もあるので、治療後もレントゲン写真などで、定期的に経過観察をする必要があります。
治療後も、薬剤の効果がなくなれば、歯が再び黒く変色することもあります。
ウォーキングブリーチは、1度治療したら終わりの治療ではないので、注意が必要です。
また、定期的なチェックを行うことも大切です。
5.ウォーキングブリーチの費用・治療期間
ウォーキングブリーチの費用・治療期間は下記の通りです。
・対象年齢:特になし
※歯が生えてから2〜3年経過していること
・治療回数:3回(60分→30分→30分)
※初診の方は、検査・口腔内の写真撮影に+1回かかります
・料金(保険適用外):1歯:11,000円(税込)
※上記は、ウォーキングブリーチのみの料金です
神経を抜いた歯が1本だけ黒くなってしまい色の違いに悩んでる、というお悩みを抱えていらっしゃる方がいたら、ぜひ一度、栗林歯科医師にご相談くださいね!
栗林歯科医院 歯科医師 監修