こんにちは栗林歯科医院の歯科医師の星です。
定期検診に通ったことはありますか?
その時に歯周病の検査を受けたことがあるかもしれません。
歯周病の検査で重要なキーワードに歯茎からの出血があります。
今回は歯茎からの出血をテーマにお話をしていきたいと思います。
1.なぜ歯茎から出血するのか?
基本的には歯茎が健康ならば歯茎の検査をしても出血しません。
歯茎の主成分はコラーゲンの線維から成り立っています。歯茎の表面には上皮と言われる構造があり血管はありません。
基本的には歯茎の溝に器具を入れても抵抗するので出血しません。
ただし炎症が歯茎にある場合は表面のコラーゲン線維が炎症により脆弱になるので表面の上皮という組織を貫通して歯茎の内側の結合組織と言われる部分に到達します。
炎症がある場合上皮組織は毛細血管が拡張しているため出血しやすくなるということです。
以上が歯茎から出血する原因です。
また歯茎の検査をするときにプロービングという検査をします。
なぜ全部の歯で検査するかというと歯周病は部位特異性という性質があり歯の部分によって進行速度が異なるためです。
1本1本歯の形も歯の根の形も違うので全ての検査が必要です。
2.歯茎からの出血はどのくらいが健康?
どんなに健康な人も歯茎からの出血が0%の人は極めて稀です。
歯周病の国際会議で健康な歯周組織の基準が決まりその中でBOP10%未満という項目があります。
BOPとはどんな検査かというと
歯周病の検査をする時にプローブという目盛りのついた細い棒状の器具を歯周ポケットと言われる歯茎の溝に挿入します。
炎症があると器具を挿入した時に出血を起こします。
BOPは1つの口の中でどれくらいの歯の部位から歯茎から出血したかの割合を決める方法になります。
なぜBOPが重要かというとBOPスコアが低い方が歯周病の進行が起きる確率が低くなることがわかったからです。
今回は歯周病の検査についてお話ししました。
歯周病についての予防方法や治療方法は次回以降で詳しくお伝えしていこうと思います。
気になるようであれば、一度歯医者さんに受診して相談しましょう。
栗林歯科医院 歯科医師 星優生