今回は、前回の続きで、むし歯のレベルについてご紹介します。
レベル3・C2
C2は、歯の表面のエナメル質が溶けて、ばい菌が内側の象牙質に達した状態です。
歯の神経に近付いているので、痛みやしみる、などの自覚症状を感じるようになります。
象牙質は、エナメル質よりもやわらかいので、むし歯の進行が早いです。
ばい菌に侵され、黒くなったむし歯部分の象牙質を削って、その部分に詰め物をします。
保険診療と自由診療によって素材が異なりますが、自由診療だと、自分の歯と似ている色のセラミックスか、奥歯だとゴールドの歯科材料で詰め物をします。
保険診療だと、歯科用プラスチックのレジンか、銀色の詰め物をします。
C2のむし歯以降は、自然に治ることはほぼありません。
そのため、歯科医院で適切な処置を行うことが大切です。
レベル4・C3
C3は、C2がさらに進行して、ばい菌が歯の神経まで達した状態です。
歯の神経は知覚を司るので、C2の段階より痛みを感じやすくなります。
象牙質の内側の「歯髄」までばい菌がまわり、炎症を起こすと、激しい痛みが起こります。
治療法は、歯の神経を除去し、被せ物をします。
自由診療では、セラミックスや、ゴールドなどの素材を被せます。
保険診療では、レジンを被せたり、銀歯を被せます。
レベル5・C4
C4は、歯ぐきから出ている部分の歯がほぼ溶けた状態です。
頭の部分がなくなり、根っこのみが残った状態です。
既に歯の神経・歯髄は溶けて死んでしまっていることが多いので、その場合は痛みがありません。
痛みはなくなっていますが、根っこ部分は無数のばい菌の温床になっています。
そのため、放置してしまうとばい菌が他の健康な歯に映るので治療が必要です。
また、さらに進行すると、ばい菌が歯の根っこにも感染して炎症を起こすと膿が溜まります。
治療方法は、歯の根っこの部分が残っていれば、そこを土台として被せ物をします。
内容はC3の治療法と同じです。
歯の根っこを土台にすることができない場合は、歯を抜歯します。
そして、インプラント治療、ブリッジ、入れ歯などの方法で治療します。
基本的に、むし歯が進行してしまうと、治療回数が多くかかってしまうので、早期治療を行うことが大切です。
まずはお気軽にご相談くださいね。
歯医者が教える歯のQ&A大全
(著者 古谷航/ 発行 株式会社クロスメディア・パブリッシング)
栗林歯科医院 歯科医師 監修