Q.お口をポカンと開けてる問題って?

1.なぜお口が開いている?
2.口呼吸が与える悪影響4つ
3.お子さんの口呼吸チェックリスト12つ
4.口呼吸の改善方法

1.なぜお口が開いている?

お子さんで、お口が無意識にポカンと開いている方がいます。
また、保護者の方からも、お子さんがいつも口を開けているというお話を伺います。
ポカンとしている状態を、専門用語で「口唇閉鎖不全症」と言います。

お口が開いている原因の1つに「鼻づまり」が原因だと言われています。
そして、鼻詰まりが理由で、「口呼吸」になっていると言われています。
お口を開けているからと言って、全てのお子さんが口呼吸をしているとは限りませんが、判断材料の1つにお口を開けているかがあります。
平成26年に実施された全国調査では、お口をポカンと開けているお子さんのうち、約3割のお子さんが口呼吸が疑われる、という結果となりました。

2.口呼吸が与える悪影響

口呼吸を続けていることで起こる良くない影響は、大きく分けて4つあります。

1)重度のむし歯・歯周病を引き起こす可能性がある

日常的に口呼吸をすることで、お口の中が慢性的に、乾燥している状態となります。
唾液の働きの1つに、お口の中を清潔に保つ抗菌作用があり、むし歯を予防する働きもありますが、お口が乾燥状態だと、その唾液の働きが低下します。
そして、口腔内の機能低下が起こると、重度のむし歯・歯周病を引き起こす可能性があります。

2)歯並びが悪くなる可能性がある

歯並びには「鼻」と「唇」の2つが関係しています。

唇の力は、とても大事です。
お口をポカンと開けた状態では、唇を閉じる筋肉が弱くなり、段々と歯が前に出てしまう原因となります。
唇は、歯が出ることに対してストッパーの役割をしていますが、それが弱まってしまいます。

歯は、唇の圧・舌の圧が同じくらいかかる場所に留まろうとします。
ですが、お口を閉じていないと唇の圧が弱くなるので、ストッパーの役割が弱くなります。
その影響として特に、上の前歯が前に出てしまう原因につながります。

3)歯ぐきが黒ずむ可能性がある

口呼吸を続けていると、歯ぐきが黒ずんでしまう可能性があります。
歯ぐきが黒くなる、主な原因は「刺激」です。

ほくろができる仕組みと同じように、メラニン色素が歯ぐきに多くできてしまうと、歯ぐきが黒くなります。
歯ぐきは、タバコの成分や煙による刺激・口呼吸による空気の刺激などにより、黒ずむと考えられています。

4)慢性的なアレルギー性鼻炎・口蓋扁桃肥大を引き起こす可能性がある

口呼吸は、お口の中の問題だけで済まない場合があります。
気管や肺に直接、空気が入ることで炎症が引き起こされ、慢性的なアレルギー性鼻炎・口蓋扁桃肥大といった症状を引き起こしてしまう可能性もあります。

3.お子様の口呼吸チェックリスト12つ

お子様が口呼吸かどうかの判断基準が12個あります。

①唇にしまりがない
②口を開けて寝る
③口がよく乾く
④上唇と下唇の間から歯が見える
⑤1分以上口を閉じられない
⑥くちゃくちゃ音を立てて食べる
⑦睡眠中、鼻がつまりやすい
⑧食べている時に口を開けている
⑨歯並びが出っ歯になっている
⑩日中、鼻がつまりやすい
⑪昼に口臭がある
⑫朝に口臭がある

上記に1つ以上当てはまる項目があれば、口呼吸になっている可能性があります。

また、口呼吸をおこなっている人の顔の特徴として、
・鼻の高さが低い・上唇か下唇が突出している・下顎の位置が後方へ下がっている
などが挙げられます。

チェック項目でお子さんに口呼吸が疑われた場合は、まずは一度、歯科医院でご相談ください。

4.口呼吸の改善方法

口呼吸をするお子さんは、早い段階でお口を閉じる習慣を身につける必要があります。

当院では、既に口呼吸になってしまっている方に対しては、「鼻のクリニック東京」さんという耳鼻科をおすすめしています。
口呼吸が疑われる方、また、鼻詰まりで悩んでいる方はお気軽に当院や、「鼻のクリニック東京」(https://nose-clinic.jp/)さんにお問い合わせください!

口呼吸の改善を行うには、口呼吸の原因を解明し、お口周りの筋肉のトレーニングを行うことが必要です。
当院では、お口周りの筋肉のトレーニングのMFT、お子さんの歯並びの予防に、ムーシールド・トレーナーの治療もあります。

「口呼吸」を改善するには、まず鼻づまりを治すことが大切です。

当院では「鼻づまり」でお悩みの患者さまには、耳鼻科をご紹介させていただいております。
早い段階でお口を閉じる習慣を身につけることで、一生涯、良いお口の状態を保つことができます。
まずは、口呼吸が疑われるお子さんのご相談、お待ちしております。

栗林歯科医院 歯科医師 監修

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