1.ホワイトニングの成分
2.歯が白くなるメカニズム
3.加齢で歯の色が黄色くなる
今回は、ホワイトニングで歯が白くなるメカニズムについてご紹介します。
1.ホワイトニングの成分
ホワイトニング剤の成分は過酸化水素(H2O2)です。
・オフィスホワイトニングは、35%以下の過酸化水素
・ホームホワイトニングは、10〜21%の過酸化尿素
を使用します。
過酸化尿素は、結果的には過酸化水素と同じ成分です。
過酸化尿素は、酸化反応の過程で過酸化水素に分解されます。
この過酸化水素は、消毒や漂白に使用するオキシドールと同じ成分で、低濃度であれば安全です。
(消毒液として、一般的に普及しているオキシドールの濃度は約3%)
ですが、高濃度のものだと危険性があります。
日本人のエナメル質は薄いので、過酸化水素の濃度が35%を超えると歯へダメージを与えてしまいます。
オフィスホワイトニングで用いる過酸化水素は35%以下という濃度ですが、それでも取り扱いに注意が必要なため、自宅用では使用できません。歯科医院でのみ行うことが出来ます。
2.歯が白くなるメカニズム
歯が白くなる薬剤の成分の過酸化水素と過酸化尿素は、化学反応の過程で酸素と水に分かれます。
この時に発生した酸素が、歯の着色の原因の色素と結合すると無色になります。
色素は、歯を構成するものではありません。
あくまで歯の色を変化させている有機成分なので、歯が溶けたりすることも、歯の構造が変わることもありません。
歯の表面を覆っているエナメル質は、人体の中で最も硬い組織です。
90%以上が無機質で、その他はわずかな水と有機質で構成されています。
このわずかな有機質が着色することで、歯の色を変色させます。
過酸化水素は、この有機質を無色化することで、歯を白くします。そしてホワイトニングで、エナメル質を白くします。
3.加齢で歯の色が黄色くなる
エナメル質の下には、象牙質というものがあり、この象牙質は黄褐色をしています。
着色を落としてもなお歯が少し黄ばんで見えるのは、この象牙質の色です。
さらに、象牙質の下には歯の神経があります。
象牙質は、神経を守るために加齢と共に厚くなっていきます。
すると、象牙質の色が目立つようになり、歯がさらに黄ばんで見えるようになります。
ホワイトニングでは、象牙質までは漂白しません。
しかし、ホワイトニングは着色した有機物だけでなく、エナメル質表面の構造を角状から球状に変化させるマスキング効果という効果で、光の乱反射が起こり、象牙質の色が透けて見えなくなります。
そのため、加齢による歯の色の改善も、ホワイトニングで行えます。
個人差はありますが、ホワイトニングでは自分の現在の歯の2~4段階白くできると言われています。
栗林歯科医院では、患者さまの1人1人のお口の中を確認させていただき、ホワイトニングを含めた最適なご提案をします。
ぜひお気軽に一度、ご相談くださいね。
栗林歯科医院 歯科衛生士 監修