今回は、歯医者さんの1歳半検診で行う内容をご紹介します。
1.歯式検査
2.歯牙検査
3.軟組織検査
4.不正咬合
5.歯垢の付着状態
6.フッ素塗布
1.歯式検査
まず、全体の歯の成長具合を、一般的な1歳半のお子さんと比較して調べます。
平均して、1歳の頃は、乳歯20本中の4本(前歯)が生えてきます。
ですが、個人差があるので、その部分も含めてチェックしていきます。
チェックする内容は、
・歯がちゃんと生えているか
・歯が何本生えているか
・むし歯の有無や治療した歯はあるか
・歯が抜けたり、欠けたりしていないか
などを調べます。
なお、1歳半で歯がまだ生えていないのは少し生えてくるのが遅いので、一度歯科医院で相談することをおすすめします。
2.歯牙検査
次に、生えてきた歯の形などを調べます。
・癒合歯ではないか
・形成不全になっていないか
癒合歯とは、本来1本ずつ分かれて生えてくるはずの歯がくっついて生えてきた歯のことです。
形成不全とは、歯の一番外側のエナメル質が生まれつき作られず、変色や欠けている状態の歯です。
生えてきた歯に問題がある場合は、経過観察が必要ということが分かることが大事です。
3.軟組織検査
次に、軟組織の検査をします。一般的な1歳半のお子さんと比較して調べます。
軟組織とは、舌や歯ぐきなどの部分です。
・上唇小帯
・舌小帯
・歯肉炎
これを調べ、上唇小帯の位置が前歯に食い込んでいる場合は、経過観察をして、歯並びに影響が出そうな場合は、歯科医院に通って切除を行う必要があります。
舌小帯が短い場合は、授乳が困難だったり、発音障害や食べ物が食べにくかったりすることがあります。その場合も歯科医院で切除を行います。
4.不正咬合
噛み合わせの検査を行います。
まだ本格的な噛み合わせというより、1歳半のお子さんの平均したものを比べて調べます。
5.歯垢の付着状態
歯垢(プラーク)の付着状況を検査します。
歯垢(プラーク)がたくさんついていると、将来的にむし歯・歯周病になるリスクが高くなるので、1日3回定期的な歯みがきと、3ヶ月に1回の歯科医院で行う定期検診で、落としきれない歯垢(プラーク)を落とすことが推奨されます。
6.フッ素塗布
最後にフッ素塗布をします。
フッ素塗布を行うことで、溶け出した状態(脱灰)の歯の再石灰化を促進して、むし歯の予防を行います。
この段階で何か見つかった場合で、早急な処置は必要なく、経過観察の場合は、保護者の方は現在の状態を把握していることが大事です。
1歳半検診で何かが見つかった場合は、お気軽にご相談くださいね。
栗林歯科医院 歯科医師 監修