1.むし歯予防に効果的な歯みがき回数
2.歯周病予防に効果的な歯みがき回数
3.理想的な歯みがきの順序
何回も磨いてるのに歯周病が治らない、むし歯になったからむし歯予防のために歯みがきの回数を増やしたほうがいい?
そういったお悩みを抱えている人は多いと思います。
今回は、必要な歯みがきの回数についてご紹介します。
1.むし歯予防に効果的な歯みがき回数
A.むし歯予防には1日2回以上、フッ素濃度1450ppmFの歯みがき粉をつけて、5分以上の時間をかけて磨く
ことが、むし歯予防に良いという論文があります。
論文では、
「歯みがきの回数でむし歯の発生頻度が少なくなるか調べた研究では、フッ素入り歯磨き粉で1日2回行えば、3回以上とで有意差はなかった」
という結論が得られています。(Kumar 2016)
もちろんフッ素の効果を考えれば、回数が多ければ多いほどむし歯予防効果は高いですが2回でもそれ以上と差がないくらい効果が得られるということです。
逆に、1日2回以上磨いているのにむし歯になる方は、磨く回数を増やすのではなく、間食を減らしたり、磨き残しを減らせるよう丁寧に磨いたり、キシリトールガムを噛んだりと他の対策を取る方がむし歯予防効果が高いです。
また、むし歯の一番の原因は、糖分の摂取回数と言われています。
ダラダラ食べ、ダラダラ飲みをしてしまっている方は、一度生活習慣を見直しましょう。
2.歯周病予防に効果的な歯みがき回数
歯周病予防には、24時間ごとにしっかりと歯みがきをすれば歯肉炎が発生しなかった、という論文があります。(Pinto 2013)
あくまでも「しっかりと」歯みがきを行うことがポイントです。
1日に何回やっても磨き残しが多いと、歯肉炎が発生してしまいます。
そのため、1日に1回は丁寧にしっかりと磨く時間を作るようにしましょう。
ちなみに、最新の研究では、1日に3回磨く人の方がそれ以下の人よりも歯周病が少ない、という研究結果が出ています。(Kumar 2016)
これはおそらく、1日3回磨く人は健康意識が高く、磨く時間も長く、磨き残しが少ないからだと考えられます。
そして、
「理論的には2日に1回完璧に磨けば、歯肉炎は起きない」という研究もあります。(Lang 1973)
この研究から、回数よりも質が大事ということが分かるかと思います。
ですがこの実験は、歯学部学生を対象にした実験で、毎回の歯磨き後に磨き残しチェックがあるという、スーパーVIP待遇の上での実験なので、私たちの日常で行うには、非現実的です。
皆さんは参考にされないようにしてくださいね。
3.理想的な歯みがきの順序
歯みがきの理想的な順番は下記です。
1)フロスをする
2)洗口剤(リステリン)を使う場合は使用する(必須ではありません)
3)1450ppmFの歯磨き粉をつけて1日2回以上、1回は5分以上かけて磨く
が理想的な順番です。
歯みがきの仕方で困ったり、悩んだら、お気軽にご相談くださいね。
栗林歯科医院 歯科医師 監修