朝起きたら顎が痛い、ということはありませんか?
今回はその理由をご紹介します。
1.顎が痛い理由
2.歯ぎしり・食いしばりで生じる悪影響
3.歯ぎしり・食いしばりセルフチェック
4.歯ぎしり・食いしばりの対処法3つ
1. 顎が痛い理由
顎が痛い理由として考えられるのは、寝ている間に「歯ぎしり」・「食いしばり」をしている可能性があります。
「歯ぎしり」と「食いしばり」は似てる、と思う方もいるかもしれませんが、違いがあります。
歯ぎしりは、上と下の歯をギリギリ、横にすり合わせている、などの状態です。
顎は、上顎と下顎がありますが、上顎は動かせないので、実際に動かせるのは下顎のみです。
下顎は筋肉で動かすのですが、強く食いしばり・歯ぎしりを行う人は、顎の筋肉が過剰に動かされている状態です。
ー歯ぎしりの主な3パターンー
1)歯を横にギリギリすり合わせる
2)歯をギュッと食いしばる
3)歯と歯をカチカチさせる
食いしばりは、強く噛み締めている状態です。
歯軋りのような、歯の横のすり合わせはありません。
2. 歯ぎしり・食いしばりで生じる悪影響4つ
実際に食いしばり・食いしばりで生じる悪影響4つをご紹介します。
1)歯への負担
・歯の磨耗が起こり、歯がしみたり欠ける
・歯が割れ噛むと痛い
・噛み合わせが深くなってしまい、被せ物が取れやすい
最終的に、歯にヒビが入る、欠ける、割れるといった症状があります。
2)骨への負担
・歯周病が悪化しやすくなる
・歯周病によって、既に骨が破壊されている人はさらに進む
3)顎への負担
・口を大きく開けにくい
・口を開けるときにカクカクする
・パキパキ音がする
・朝、目覚めた時に耳の前あたりが痛い
・前より噛み合わせが悪くなった
顎が外れる、痛いといった症状があります。
4)全身への影響
・肩こりが起こる
・頭痛が起こる
これらは、歯ぎしり・食いしばりが一因だと言われています。歯ぎしり・食いしばりは、睡眠時や、集中している時に無意識に行っているため、自分が普段、歯ぎしり・食いしばりをしているかは判断しにくいのも放置してしまいやすい理由です。
3.歯ぎしり・食いしばりセルフチェック
1)舌の横に歯の跡がつく
歯ぎしり・食いしばりをしていると、舌の横に頬粘膜圧痕という歯の跡が付くことがあります。
2)ほっぺの内側に歯の跡がつく
歯ぎしり・食いしばりをしていると、ほっぺの内側に白く線が付くことがあります。
3)上顎・下顎にできる骨隆起
歯ぎしり・食いしばりをしていると、上顎・下顎に、骨隆起という白いこぶのようなものができることがあります。
このような症状があると歯ぎしり、食いしばりをしている可能性があります。もし症状が酷く、日常生活に支障が出てしまっている場合は、治療が必要となります。
4.歯ぎしり・食いしばりの対処法3つ
1)矯正治療
矯正治療を行い、理想の噛み合わせに近づけることで、歯や顎の不快さの軽減が期待できます。
噛み合わせが良くない一部の歯で噛んでいる状態ではなく、歯全体で噛めるように治療していきます。※矯正治療は、歯ぎしり・食いしばりを完全になくすものではありません
2)マウスピース療法(スプリント)
顎の動きを歯科医院で測定し、一番安定する噛み合わせの位置でスプリントというマウスピースを作成します。スプリントを付けることで、顎への負担の軽減と、歯への直接的な負担を軽減します。
3)マウスピースを作成する(ナイトガード)
夜に使用する、ナイトガードというマウスピースを作成します。
弾力があるマウスピースを装着することで、歯同士が強く噛み合うことを防ぎます。
朝起きると顎が痛い、という症状がある方は、顎や歯を守るためにも一度、当院にご相談くださいね!
栗林歯科医院 歯科医師 監修