今回は小児の矯正について、2回に分けてお話ししていきます。
①噛み合わせとは
噛み合わせは大きく分けて3種類あります。
判断するポイントは、上下の6番目の歯(第一大臼歯)を横から見た位置関係で診断していきます。
(1)Ⅰ級:正常咬合
6番目の歯には横から見て2つの山となる部分があります。
その手前側の山の頂点が、下の歯の谷の部分にぴったり合っていれば、正常咬合と言われます。
(2)Ⅱ級:出っ歯
上の歯が前に出ていて、下の歯が奥に位置している状態です。
(3)Ⅲ級:受け口
下の歯が正常よりも前に位置している状態です。
噛み合わせは細かく分けると上記に挙げたものより沢山あり、矯正をされる際は骨格的な所も含めて矯正が必要なのか、
歯の並び方だけ矯正をすれば良いのか、診査診断が重要となります。
②小児の歯が生える時期について
歯が正しく並んでくるには、好ましい順序で生えてくることが重要となってきます。
大人の歯の生える順番として一般的なものは
上の歯は 6→1→2→4→5→3→7
下の歯は 1→6→2→3→4→5→7
と言われています。
最初に生えてくる、6番目の歯(第一大臼歯)と下の前歯は6~7歳頃に生えてきます。
そのあと側方歯群と呼ばれる3~5番目の歯は約9~11歳の時に生えてきます。
最後に7番目の歯(第二大臼歯)が12歳頃に生えてきます。
大人の歯の生えるタイミングは先に生えているお子様の歯が虫歯などで早く無くなってしまっていたり、逆に遅く残り過ぎてしまっていたりすると、上記のタイミングで生え変わりが出来なくなってしまうこともあります。
そのような事がないように、定期的に検診を受けられることをお勧めします。
③小児矯正の重要性
矯正というと、「歯を綺麗に並べる」というイメージをお持ちだと思います。しかしその矯正は主に成人矯正の役割で、小児矯正は他の目的もあります。
小児は成人と異なり、顎の成長がまだ行われている最中のため、顎の成長過程に合わせて適切な治療が可能になります。
つまり、小児矯正の目的は、成人の骨格へと成長する思春期成長期に入る11歳より前に、将来歯が綺麗に並ぶための顎の成長を促すことや、骨格的な顎の位置関係を治すことです。
小児矯正を行うことによって、成人矯正での抜歯の必要性が低減するなど、患者様の将来的な負担が少なく、治療の選択肢の幅を広くすることができます。
栗林歯科医院 歯科医師 監修