ホワイトニングって虫歯でもできるの?

今回は、ホワイトニングについて書かせていただきます。
ホワイトニングについて質問があったので、6つに分けて書かせていただきます。

・どの歯でもホワイトニングはできるのか
・神経がない歯を白くする方法
・ウォーキングブリーチについて
・自然な歯の白さとは
・ホワイトニングで、しみる人・しみない人の違い
・虫歯があってもホワイトニングはできるのか

どの歯でもホワイトニングはできるのか

神経がある歯を有髄歯と呼び、神経がない歯を無髄歯と呼ぶのですが、実は有髄歯と無髄歯とではホワイトニングの方法は違います。
有髄歯では医院で行う「オフィスホワイトニング」と自宅で行う「ホームホワイトニング」があります。
そして無髄歯は「ウォーキングブリーチ」と呼ばれるホワイトニングの方法を用います。

基本的にはどの歯であってもホワイトニングをすることは可能です。
しかし、有髄歯であっても大きな虫歯があったり大きな亀裂があったりするとできない場合があります。
また、テトラサイクリン歯と呼ばれる変色歯に関しては変色の程度によってはホワイトニングの適応外となります。

このテトラサイクリン歯の変色の度合いとしては以下の4つに別れていて、F1とF2がホワイトニングの適応となります。

F1:淡い黄色、褐色、灰色で歯冠全体が一様に着色されていて、縞模様は見られない
F2:第1度よりは濃く歯冠全体が一様に着色されていて、縞模様は見られない
F3:濃い灰色、青みがかった灰色で縞模様を伴うもの
F4:着色が強く、縞模様も著名なもの

さらには虫歯の治療したことで、残存している歯質が少なくなった歯や補綴物がかぶさっている歯も適応外となります。

神経がない歯を白くする方法

上記の通り、神経がない歯をホワイトニングする方法として、ウォーキングブリーチと呼ばれる方法があります。
そもそもの話ですが、神経がない歯がなぜ変色してしまうのかの理由として、歯の内部には歯髄腔と呼ばれる神経がある領域があり、そこには神経と共に血管も存在します。
神経を取る処置を行うと、神経と共に血管も取ることになるため、歯は血液から栄養を得ることができなくなります。
その結果、栄養が行き届かなくなった歯は次第に黒く変色していきます。

ウォーキングブリーチとは、神経の治療後に黒く変色した歯の歯髄腔に白くする薬剤を入れ、漂白して白くするホワイトニング方法です。
しかし、そもそも神経の処置を行う歯というのは虫歯が原因で神経をとる処置を行うことが多いため、虫歯を全て取り切った時にはほとんどの歯質が残っていないことが多く、被せ物などの補綴物による治療が必要なケースの場合が多いです。

ですのでウォーキングブリーチを行う場合、必ずしもできるとは限らないので注意が必要です。

ウォーキングブリーチについて

上記の通り、ウォーキングブリーチは神経をとる処置を行なった歯が適応です。
歯髄腔内に緊密に根管充填がされているのを確認したのちに、薬剤(30〜35%の過酸化水素水と過ホウ酸ナトリウムの混合されたペースト)を歯髄腔に封入します。

ウォーキングブリーチは、歯髄腔から直接作用するので確実で効果が高いとされています。
しかし、不用意にこの歯髄腔を広げると歯が菲薄になり、術中に歯が脆弱化して割れることがあります。
また、歯髄腔内で薬剤が漏出して歯根部に悪影響を及ぼす可能性もあるため、レントゲン写真等で治療後も定期的に経過を診る必要があります。

当然、治療後も薬剤の効果がなくなれば、歯は再び黒く変色することもあります。
ウォーキングブリーチは、1度治療したら終わりの治療ではないことを理解し、定期的なチェックを行いながら診ていく必要がある処置です。

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自然な歯の白さとは

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さて、皆さんは真っ白い歯の芸能人に憧れてたりしますか?白ければ白い方が良いと思う方も多いと思います。
しかし、度が過ぎたホワイトニングは逆に白さが際立ちすぎて不自然な結果になる恐れもあります。
では、自然な白さ、不自然な白さとはどんなものなんでしょう?

ここで重要になってくるのは基準となる歯の白さです。
上の写真はシェードガイドと呼ばれ、歯の白さの指標となる色味を、16段階の明るさで並べたものです。
左に向かうに従って明るくなっていきます。

ちなみにアルファベットは歯の色みを表していて、数字の若い方が明るくなります。
赤系をA、黄色系をB、灰色系をC、濃茶系をDで示しています。
つまり同系色で明るい順に並べるとA1、A2、A3、A3.5、A4の順に並びます。

さらに、AからDまでのすべての色を明るい順に並べ直すと、B1、A1、B2、D2、A2、C1、C2、D4、A3、D3、B3、A3.5、B4、C3、A4、C4の順になります。

では自然な白さとはどのくらいでしょうか?
一般的に日本人の標準的な歯の白さはA3、A3.5あたりと言われています。
ホワイトニングを行なう際に目標とする白さはA1、A2あたりです。
ここら辺が自然な白さとされています。

実はこのA1やB1よりもさらに白いW1、W2、W3というのもあります。
芸能人の真っ白な歯はおそらくここら辺だと思われます。

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別にA1よりも白い歯がダメというわけでは当然ありません。
あくまで指標として自然なレベルでの白い歯を求めるのであれば、A1かA2あたりがよろしいのではないでしょうか。

ホワイトニングで、しみる人・しみない人の違い

基本的にホワイトニング後にしみやすい人、しみにくい人と人によって違うというわけではありません。
誰でもしみる可能性はあるし、しみない可能性もあります。

これは薬剤が歯の神経を刺激することでしみる症状が出ると考えられています。
要は知覚過敏症のことです。

知覚過敏症が生じた場合は、ただちにホワイトニングを中止し、知覚過敏症の処置を行ったのちに症状の改善がみられたらホワイトニングの時間を短くして再開し、徐々にその時間を長くしていきます。
オフィスホワイトニングの場合、歯科医院で処置を行うので、もし知覚過敏の症状が出ても迅速な対応ができるのに対してホームホワイトニングはご自宅で行うので、知覚過敏の症状が出てもすぐに処置を行えるわけではありません。知覚過敏の症状が出たらただちに歯科医院に連絡を行うようにしましょう。

虫歯があってもホワイトニングはできるのか

基本的に虫歯がある場合は、まず虫歯の治療を優先する必要があります。
また、歯に大きな亀裂がある場合も避けた方がいいでしょう。

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理由は、ホワイトニングの際に使用される薬剤は、歯の表面のエナメル質と呼ばれる層を透過して、さらに内部の象牙質と呼ばれる層まで漂白します。
虫歯や大きな亀裂があると、象牙質のさらに内部にある歯の神経のある領域にまで、影響が出て痛みが出たりしみたりする症状が出る恐れがあります。

また、ホワイトニングは天然歯にしか効果がありません。
つまり、治療した際に補われた補綴物(レジンや詰め物)はホワイトニングされないため、予めどこまで白くするか、もしくは応急的に虫歯の治療だけしておいて、最終的に歯の白さに合わせて補綴物の色合いを決める必要があります。

ですのでホワイトニングを行なう前に、歯科医師の診査診断を行った上で、どのタイミングでホワイトニングを行なうかを話し合う必要があります。

今回は、ホワイトニングの疑問について多かった内容を中心にお話ししましたが、疑問は解決されたでしょうか?ホワイトニングが気になる方はお気軽にご相談ください。

栗林歯科医院 歯科医師 監修

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